2017年以降、大きく変更されるF1の空力パッケージは固まったが、タイヤのテスト方法が大きな問題として残っている。
2017年以降の新しいルールの作成に携わっているウィリアムズのパット・シモンズは、「私の知る限り、ストラテジーグループとF1委員会はわれわれの仕事の結果に満足している」と話している。
「新しいクルマのスピードについては異なる見方がある。(ルール変更があった)2008年もそうだった。しかし、これで前進するよ」
■耐久性とグリップの向上にはテストが必要
このルール変更は大幅なスピードアップを目指してのものだが、空力と共にスピードアップに大きな影響を与えるのが、幅が広がることが決定しているタイヤだ。
グリップを向上させ、ダウンフォースの増加で増える負荷にも耐えられるタイヤを生み出すためには、実際に走行するテストが必要だとピレリは訴えている。
ピレリのポール・ヘンベリーは『UOL Esporte(UOLエスポルチ)』に次のように話した。
「われわれの要求は認められるだろう。そうでなければタイヤがなくなるのだからね」
「従って、解決策を見つけ出さなければならない。そうしなければ要求に応えることは不可能なのだから、2017年の選手権もなくなってしまう」
「多くの問題がからんでいる。政治的な問題もあれば、金銭的な問題もある。だが、われわれは解決策を見つけなければならない」
■問題はタイヤテスト用のマシン
実車を使用したテストで問題となるのが、テスト用マシンを提供したチームがほかのチームより有利になる点だ。
また、ピレリはF1参戦前にトヨタのマシンを使用してテストを行ったが、旧型のマシンでダウンフォースだけ増やしても、スピードが落ちて適切なデータが取れないとヘンベリーは『Motorsport.com』に語っている。
シモンズも、その難しさを次のように説明している。
「荷重は25%増えるだろう。われわれのクルマは、必要な状態より25%強く、あるいは重くするようには設計されていない」
「まったく正確に行うとしたら、そのためのクルマを設計しなければならなくなる。そのための資金が誰にある? ピレリにまかなえるのか? 誰にとっても非常に難しいことだ」