マクラーレンの広報担当者が、F1第18戦ブラジルGPの後に、最高権威のロン・デニスが、実質上のチーム代表であるエリック・ブーリエを叱責(しっせき)したようだとのうわさを否定した。
ブラジルGPが開催されたインテルラゴスでは、フェルナンド・アロンソとジェンソン・バトンのドライバーコンビが表彰台に上って観客に手を振るという自虐的なパフォーマンスを披露。
さらに、立て続けにエンジントラブルでクルマを止めざるを得なかったアロンソは、コース脇の簡易チェアーに腰掛けて目を閉じ、まるで日光浴をしているような姿を見せていた。そして、このときのアロンソの画像を加工したジョークフォトがSNSを通じて数多くインターネット上に拡散されるという事態にも発展していた。
■ユーモアは前向きにとらえるべきだとアロンソ
アロンソはこのことに関し、F1最終戦が行われているアブダビで母国スペインの『Marca(マルカ)』に次のように語った。
「僕は、あれは前向きにとらえていいものだと思っているよ」
「今ではソーシャルネットワークのパワーはすごく強大だし、ユーモアを交えてそれを利用するのは誰にとってもいいことさ」
ホンダF1プロジェクト総責任者の新井康久も、マクラーレンのドライバーたちのそうした行為がフラストレーションから出てきていることを理解しつつ、彼らのユーモアはチーム全体にとっていいことだと語っていた。
■デニスはドライバーたちの行為におかんむり?
だが、スペインの『El Mundo(ムンド)』が伝えたところによれば、デニスはまったく違った見方をしていたという。
デニスは、ブラジルGPが行われたインテルラゴス・サーキットには姿を見せていなかった。だが『El Mundo(ムンド)』は、アロンソとバトンが表彰台でふざけているところを目にしたデニスはレーシングディレクターを務めるブーリエに電話をかけ、次のように叱咤(しった)したと報じている。
「君は自分たちのドライバーを管理できないのか?」
「彼らは何をやっているんだ? 彼らを管理しろ!」
一方、『Marca(マルカ)』に、ブラジルでアロンソとバトンが行った悪ふざけをどう思うかと質問されたブーリエは、「本音は口にしないことにするよ」と答えている。
■この報道はまったくのデマだとマクラーレン
だが、マクラーレンの広報担当者は、デニスがブーリエに電話したような事実はまったくないと『GMM(グローバル・モータースポーツ・メディア)』に対して次のように主張した。
「この報道はまったくのでたらめだ。この記事を書いた『El Mundo(ムンド)』の記者に対して断言するが、これはまったく事実に反している」