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F1委員会、FIAの低価格エンジン導入案を否決

2015年11月25日(水)12:49 pm

24日(火)にパリで開かれたF1委員会において、統括団体であるFIA(国際自動車連盟)が進めようとしていた2017年から低価格の“クライアントエンジン”を導入するという計画が否決された。

■F1チーム、2種類のF1エンジン導入計画に「NO」

FIAとF1最高責任者であるバーニー・エクレストンは、2017年から900馬力を発生する2.5リッター自然吸気エンジンを導入し、現行のV6パワーユニットと並行使用できるルールに変更するという計画を示していた。入札参加申込締め切り日であった23日(月)には、イルモア、AER、そしてメカクロームが申請を行ったと伝えられている。

だが、『Bild(ビルト)』紙は、24日(火)の会議において「低価格エンジンは反対多数によって否決された」と伝えている。

反対派には、現行エンジンのサプライヤーであるメルセデス、ルノー、フェラーリ、ホンダに加え、財政難に苦しむザウバーのような小規模チームも含まれていたという。

■レッドブルの2016年参戦継続にも疑問符?

2017年から独立系エンジンメーカーの参入を認め、新規格の“クライアントエンジン”を導入することが2016年もF1参戦を継続するための“条件”であることを明らかにしていたレッドブルにとっては、今回の否決は大きな痛手となるかもしれない。

『Speedweek(スピードウィーク)』から、こうした状況のもと、レッドブルでは2016年もF1参戦を続けるのかと質問されたレッドブル総帥のディートリッヒ・マテシッツは次のように答えた。

「その質問に明確に答えることはできない」

「まだ我々がエンジンを入手できるかどうか分からないし、どういう計画で行くかもはっきりしていないんだ」

■いまだ予断を許さない今後の展開

だが、まだエンジンルールが変更される可能性が完全に消えたわけではない。

『Bild(ビルト)』は、エクレストンとFIA会長であるジャン・トッドは、12月に行われる世界モータースポーツ評議会において、“不可抗力”であるとして変更を断行する可能性もあると指摘している。

そして、何か別の妥協案が示される可能性もある。

■F1はもっと広い視野を持つべきだ

前FIA会長であるマックス・モズレーは今週、イギリスのテレビ局『Sky(スカイ)』に対し、フェラーリは、自らが持つ“拒否権”を軽々しく使うべきではないと次のように主張していた。

「フェラーリは、もっと大局的に物を見る必要がある。F1がうまく機能しない状態はフェラーリにとってもよいことではないはずだ。F1は彼らにとっても非常に大事なマーケティングツールでもあるわけだからね」

ロータスのチーム副代表であるフェデリコ・ガスタルディも、F1は全体として分別を持って考えるべきだと今週次のように語った。

「エクレストン氏とFIAがいろんなことを変えようと取り組んでいることは分かっている。そして、F1チームも結束が必要なときになかなかそれがうまく運ばないということも分かっている」

■2018年から新エンジン導入という妥協案も?

ドイツの『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』は、ひとつの可能性として、現行のパワーユニットを2016年と2017年にも使用し、2018年からまったく新しいエンジン規格を導入するという妥協案も考えられるだろうと書いている。

『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』も、新しいエンジン規格は「より高い宣伝効果が見込めるもので、現状よりも大きな音を発生し、技術的にはもっとシンプルなもの」となるのではないかと推測している。

『Bild(ビルト)』も次のように書き、何らかの妥協案が検討される可能性を示唆している。

「最終的に、全員がそういう妥協案を検討することに合意した。彼らは誰もが、もはやこれは個々の利益のためではなく、F1の存在そのものにかかわる話だということを理解しているようだ」

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