F1ブラジルGP(第18戦)決勝を3番グリッドからスタートしたセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)だが、最前列からスタートしたメルセデスAMG勢をとらえることはできず、結局スタート位置と同じ3位でチェッカーフラッグを受けた。
だが、その走りはメルセデスAMGにそれほど引けを取るものではなく、ベッテルのゴールタイムは優勝したニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)から14秒ほどしか遅れていなかった。サーキット特性の違いはあるとは言え、メルボルンで行われた今季の開幕戦オーストラリアGPでは35秒ほどの差をつけられていたことを考えれば、いまやその差も半分以下に縮まったとも言えるだろう。
先週、最強メルセデスAMGの非常勤会長を務めるニキ・ラウダが、いまやエンジンパワーに関してはフェラーリがメルセデスに追いついていると語ったと報じられていたが、そのコメントがどこまで本音なのかは分からないものの、メルセデスAMGがフェラーリを警戒していることは間違いない。
フェラーリのチーム代表であるマウリツィオ・アリバベーネは、そのラウダのコメントに関して『Speedweek(スピードウィーク)』にほほ笑みを浮かべながら次のように語った。
「正直なところ、もしニキがそう言ったのだとすれば、少し疑ってかかる必要があるかもしれないね」
「だが、数値から判断すれば、我々は今ではかなり彼らに近づいてきているし、この機会を借りてエンジン担当者たちに感謝したいと思うよ。エンジンはクルマの心臓にあたるものだからね」
「しかし、同じように追いつかなくてはならない部分も残されている。今年は、シャシーを大きく変更するチャンスはなかった。だが、来年はそれにも取り組んでいくよ」とアリバベーネは付け加えた。