大型ハリケーンの接近による悪天候のためにフリー走行2回目が中止となったのを始め、本来土曜日に予定されていた予選が日曜日の朝に延期されるという事態となった今年のF1アメリカGP(第16戦)だが、興行的にも悲惨な結果となってしまったようだ。
テキサス州オースティンにあるサーキット・オブ・ジ・アメリカズのボビー・エプスタイン会長は、「厳しい週末だったよ」と振り返った。
2012年からF1開催を始め、今年で4年目を迎えた同サーキットだが、決勝日の観客動員数は過去最低を記録するに至り、エプスタインも「収益的には悲惨な週末となってしまった」と認めている。
天候さえよければ、サーキットを訪れた観客はさまざまなグッズを買い求め、サーキットには巨額の売上金が入ってくることになる。だが、今年のアメリカGPを訪れた観客はクルマが走行しないサーキットを眺めながら、雷雲や強い風雨を避けるのに精いっぱいで、とても売店をのぞいて歩く気分になれなかったのも無理のないことだ。
エプスタインは、『Austin American Statesman(オースティン・アメリカン・ステーツマン)』に次のように続けた。
「我々は巨額の売上金を失ってしまったよ。さらに、こういうひどい経験をしたことで、ファンの中にはもうこのサーキットには来たくないと考える者もいるのではないかと懸念している。彼らの考えを変えることができるんじゃないかと期待はしているがね」
だが、今年のアメリカGPの興行成績に関しては、もうひとつマイナス要因があったのも事実だ。それは、今年23年ぶりに復活したメキシコGP(11月1日決勝)が翌週に開催されることだ。
これまでは北アメリカ大陸では唯一のF1グランプリだっただけに、メキシコからも多くの観客がオースティンまで訪れていた。だが、今年はオースティンからわずか1,200kmほどしか離れていないメキシコシティで翌週にレースが開催されるとあって、メキシコからの観客が激減することは間違いないと見られていた。
「メキシコのレースによって損害を被っているよ」とエプスタインは付け加えた。