ホンダ、新型燃料電池自動車「クラリティ・フューエル・セル」を世界初公開

ホンダは、新型の燃料電池自動車（以下、FCV）「クラリティ・フューエル・セル」を28日（水）に「第44回東京モーターショー2015」で世界初披露した。このモデルは2016年3月から日本でリース販売の開始が予定されている。参考価格は766万円。

「クラリティ・フューエル・セル」は、ガソリン車同等の使い勝手とFCVならではの魅力を高次元で融合し、将来にわたってFCVのベンチマークとなりえる高い価値をもったセダンだ。ホンダが独自に開発した燃料電池スタックは従来型より33％の小型化を図りながら出力は100kW以上、出力密度は3.1kW/Lと従来比約60％の向上を実現している。燃料電池パワートレインを、V6エンジンと同等サイズにまでコンパクト化し、世界で初めてセダンのボンネット内に集約。これにより、大人5人が快適に座れる、ゆとりあるフルキャビンパッケージが実現されている。

また、70MPaの高圧水素貯蔵タンクを搭載し、パワートレインの高効率化や走行エネルギーの低減により、FCVトップクラスの一充填走行距離（参考値）700km以上を達成。一回当たりの水素充填時間は3分程度と、ガソリン車と変わらない使い勝手が実現された。さらに最高出力130kWの高出力モーターにより電動車ならではのダイレクトでレスポンスの良い快適なドライブフィールと高い静粛性が両立されている。さらに、外部給電器「Power Exporter 9000」を組み合わせることで、「走る電源」として災害時などに電力供給が可能となる。

この「クラリティ・フューエル・セル」は、日本で2016年3月にリース販売が開始される。販売開始初年度は、自治体や企業を中心にリース販売を行い、外部給電器も含めた使用状態や、ユーザー、関連団体の多様な意見や要望を収集。その後個人ユーザーへの通常販売も開始される予定だ。

＜「クラリティ・フューエル・セル」の主要諸元＞
乗車定員：5名
一充填走行距離（参考値）：700km以上（JC08モード走行時、Honda測定値）
充填時間：3分程度
燃料電池最高出力：100kW以上
燃料電池スタック出力密度：3.1kW／L
モーター最高出力：130kW
水素最高充填圧力：70MPa
エネルギーストレージ：リチウムイオンバッテリー
寸法（全長×全幅×全高）：4,895mm×1,875mm×1,475mm
参考価格：766万円（消費税込み）