メルセデスAMGが、今週末のF1アメリカGP(25日決勝)に向け、前戦ロシアGPで発生した2つのトラブルに対処したと伝えられている。
ロシアGPの前まではランキングトップのルイス・ハミルトンを48ポイント差で追いかけていたニコ・ロズベルグだが、アクセルペダルの小さな部品である“Oリング”が壊れたことによりレースをリタイアせざるを得ず、この時点で実質的にロズベルグのタイトル獲得の望みが消えたと言っても過言でなない。
あるメルセデスAMGのエンジニアが「あれが壊れるなんて想像もしていなかった」と語ったとされるその部品は、これまで何度もテストが行われてきたものだったという。だが、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、メルセデスAMGではその部品を再設計するという対応を取ったと伝えている。
ロシアGPでは、最終的にハミルトンが優勝を遂げたものの、メルセデスAMGのピットウォールでは最後まで心配そうにハミルトンのクルマを見ていた。ハミルトンのリアウイングはDRS(追い抜きをしやすくするための空気抵抗低減システムである可変リアウイング)が断続的に作動しない現象が発生していたのだ。これは、タイヤくずがそこに張り付いてしまったことによるものだったと考えられている。
『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』のベテラン記者であるミハエル・シュミットは、これに関して次のように書いている。
「ウイングのエンドプレート部分の形状が修正されている。それによって安定したダウンフォースが得られるようにするためだ」
一方、元F1ドライバーであり、現在はテレビ解説者を務めているマルク・スレールは、今季のF1タイトル獲得に王手をかけているハミルトンが今週末のアメリカGPでそれを決めてしまうと思うかと尋ねられると、次のように答えた。
「そう思うよ。彼のクルマが壊れなければね」
「メルセデスAMGには最近信頼性の問題が発生してきている。ロズベルグには前回のレースだけでなく、シンガポール(第13戦)でもトラブルが起きていた」
ドイツのテレビ局『Sky(スカイ)』にそう語ったスレールは、次のように付け加えた。
「そして、常に何か別の問題が起きているように見える。何が起きるか予想できないことに関しては、今の彼ら(メルセデスAMG)にとっても対応は難しいからね」