メルセデスAMGとしては、2016年シーズンからでも1チーム3台エントリー制度が導入されることを望んでおり、そのための準備も進めているようだ。
■1チーム3台エントリー実現を望むメルセデス
メルセデスのモータースポーツ責任者であり、ワークスチームであるメルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクターを兼務するトト・ヴォルフは、ルノーとの関係悪化によりF1から撤退するかもしれないとうわさされているレッドブルに支援するより、メルセデスAMGやフェラーリ、そしてマクラーレンといった有力チームが3台のF1カーを走らせるほうがよほどましだと考えている。
そうすれば、メルセデスAMGの控えドライバーであり、今季のDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)で最年少チャンピオンに輝いたパスカル・ヴェアラインや、今季GP2チャンピオンとなったストッフェル・ファンドールネ(マクラーレン/控えドライバー)といった若手ドライバーのF1デビューのチャンスも広がるというわけだ。
■有力チームが3台をエントリーすればファンもよろこぶはず
ヴォルフは、『Spox(シュポクス)』に次のように語った。
「そうすればドライバー市場にも動きが出るだろうし、ファンにとっても面白くなると思うよ」
「ファンだって、ヴェアラインやストッフェル・ファンドールネがその(3台目の)クルマに乗ってスーパースターの仲間入りをするのを見ればワクワクすると思うよ」
■課題は有力チームによる表彰台独占
だが、1チーム3台エントリー制が導入されたことで、レースのたびにメルセデスAMGのドライバーだけが表彰台に上るというようなことが繰り返されることになれば、ファンにとっては逆に興ざめだろう。そうなれば、人気低下が懸念されている現在のF1がさらに大きな問題を抱えてしまうことにもつながりかねない。
ヴォルフもそうした恐れがあることを認め、次のように続けた。
「我々は3台のメルセデスAMG、あるいは3台のフェラーリが表彰台を独占するようなことが起こらないようにしなくてはならない。その詳細な方法については、これから取り組んで行かなくてはならない」
「個人的には、このアイデアは好ましいと思っている。だが、私ひとりでルールを決められるわけではないからね」