マクラーレン・ホンダが今後に向けての自信をかなり強めてきているようだ。
今季復活を遂げた伝説的コンストラクターであるマクラーレン・ホンダは、最終的にはトップ争いができるようになるとの主張を続けてきているものの、ここまでのところ、その兆候はほとんど見られていない。
だが、先週末にソチで行われたF1ロシアGPではフェルナンド・アロンソが新スペックのホンダパワーユニットを搭載して走行。その後マクラーレン・ホンダはこれまでよりもかなり前向きな発言を行うようになっている。
ロシアGPのフリー走行で使用されたアロンソの新パワーユニットが発するエンジン音はこれまでとは明らかに異なっていたと伝えられている。だが、チームはフリー走行後にアロンソのマシンから新型パワーユニットをおろし、アロンソは以前のもので予選と決勝を戦っていた。
つまり、マクラーレン・ホンダでは次戦アメリカGP(25日決勝)から、グリッド降格ペナルティーを受けることなく、この新スペックパワーユニットで戦い始めることになるわけだ。
マクラーレンのレーシングディレクターを務めるエリック・ブーリエは、アロンソの母国スペインの『El Mundo Deportivo(ムンド・デポルティーボ)』に次のように語った。
「今回の改良エンジンは期待以上の性能を発揮していたよ」
「前向きなテストだったよ。予想以上の出来だった。それをレースで使用しなかったのは、サーキットのデザインが我々のパッケージには不向きだと考えていたために過ぎない」
ホンダF1プロジェクト総責任者の新井康久も次のように続けた。
「総合的なパフォーマンスはまだ十分だとは言えないものの、新エンジンのレスポンスは期待以上でした」
2009年のF1チャンピオンであるジェンソン・バトンは、現在のホンダパワーユニットの問題点は「エネルギー回生、つまりERS」にあるのだと語り、ストレートでは途中でERSからのパワーを使い果たしてしまい、最後までスピードを維持することができないのだと説明していた。
だが、マクラーレン・ホンダのロシアGP後のコメントを見れば、この点がかなり改善されてきているものと想像できる。