トヨタは、12月に発売が予定されている新型「プリウス」に採用される主な技術内容を公表した。
4代目となる新型プリウスは「Beautiful Hybrid(美しい地球・美しいクルマ)」というコンセプトにもとづいて開発が進められてきていた。プリウスのDNAとも言える優れた燃費性能の進化はもちろんのこと、感性に響くスタイルやヒト中心のインテリア、ワクワクドキドキを感じさせる運転の楽しさ、先進の安全性能、そして災害時には電源供給のためのエネルギー供給機器になるという「社会との共存への配慮」が念頭におかれたものだ。
こうした目標を実現するために優れた燃費性能をさらに進化させ、40km/L(一部グレード)という低燃費の実現とともに、「カッコよさを際立たせる低重心スタイル」や「走りの良さ・乗り心地の良さ・静かさ」といったさまざまな基本性能の大幅な向上が目指されている。
<新型「プリウス」の主な特徴>
【エクステリア】
プリウスの象徴でもあるトライアングルシルエットに、低重心パッケージの採用により、先進的でエモーショナルなデザインとされている。トヨタマークからサイド、リヤへと抜ける低い軸をボディーに通すことで、低重心を強調。また、ベルトラインを前傾させたことでエモーショナルな躍動感が表現されている。従来型に対し全高を20mm下げ、ルーフピークを170mm前に出したことなどでさらに空力性能を高め、クラス世界トップレベルのCD値0.24を実現している。
【インテリア】
「表示系遠方・操作系手元配置」を基本に、インストルメントパネルを低い位置で薄く造形することで開放感のあるイメージとしつつ、乗る人をやさしく包み込むような一体感のある空間を表現している。
シートは、長時間ドライブでの負担を軽減するなど、快適性がさらに追求されたものとなる。フロントシートは、シート内のバネ特性の最適化を図り、腰や筋肉への負担が少ない骨盤角度を実現。さらにシート内のクッションパッドの素材や厚みの工夫により、座骨部に集中しがちな圧力を周囲に分散し、包み込まれるようなフィット感を実現。リヤシートもクッション性の最適化や着座時の接触面積の拡大により、フロントシート同様の優れた座り心地を実現している。
【ハイブリッドシステム】
エンジンは、排気量1.8Lの改良型2ZR-FXEで、クラストップレベルの最大熱効率40%を実現。吸気ポートやピストン形状の改良により、燃焼室内の気流を強化するとともに、点火の高エネルギー化により燃焼速度を向上させ大量のEGR(排気再循環)ガスを導入することで燃焼効率を向上。一部グレードでは40km/という低燃費の実現が目指された。
駆動用バッテリーは、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池共に高性能・小型化が図られており、リヤシート下への搭載が実現されている。また、暖機状態に合わせてシャッターを自動開閉する「グリルシャッター」の採用や、エンジンの排気熱を回収して冷却水の早期昇温に再利用し、エンジンの暖機に利用する「排気熱回収器」の小型化・回収性能の向上など、暖機性能の技術向上も低燃費に大きく貢献している。
【シャシー、その他】
新たな安全性評価をクリアした、衝撃吸収ボディーと高強度キャビンからなる最新のGOAボディーを採用。低重心化とボディー剛性向上により、ドライバーが意図したとおりの走りを安全かつ安心して行うことができる。リヤサスペンションにはダブルウィッシュボーン式を採用。高い走行安定性を確保しながら段差乗り越え時のインパクトショックを大幅に低減するなど、気持ちの良いコーナリング性能やショックの少ない優れた乗り心地を実現。また、重心高を下げることで走行時の車両の安定性が向上し、同乗者にも優しい横揺れの少ない乗り心地を実現している。さらに、接合部のすき間を徹底的に排除し、ドアや窓・フロアカーペットから天井に至るまで吸遮音材を効果的に配置することで
この新型「プリウス」は、10月28日(水)より開催される第44回東京モーターショー2015への出展が予定されている。
【参考】新型「プリウス」プロトタイプモデル主要諸元
全長(mm)/全幅(mm)/全高(mm) | 4,540/1,760/1,470<1,475> |
ホイールベース(mm) | 2,700 |
室内長(mm)/室内幅(mm)/室内高(mm) | 2,110/1,490/1,195 |
エンジン種類 | 直4DOHC |
総排気量(cc) | 1,797 |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 72 [98]/5,200 |
最大トルク(Nm[kgm]/rpm) | 142 [14.5]/3,600 |
モーター最高出力(kW[PS]) | 53 [72] |
モーター最大トルク(Nm[kgm]) | 163 [16.6] |
バッテリー | リチウムイオンまたはニッケル水素 |
< >内の数値はE-Four(電気式4輪駆動方式)搭載車の値