今年のF1シーズンも今週末のF1ロシアGP(11日決勝)を含めて5レースを残すところまできている。このソチでは、シーズン終盤に向けて開発を行った新エンジンを持ち込むメーカーも多いようだ。
■ホンダ、ソチではアロンソだけに新スペックエンジンを投入か
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、ホンダがソチに新スペックエンジンを持ち込んでいると報じている
同誌のベテラン記者であるミハエル・シュミットによれば、そのホンダのパワーユニットは、2015年シーズン中に使用することが認められている“トークン”のうち、最後の4枚を使って開発が行われたものだという。
だが、今週末のソチでこの新スペックのパワーユニットが搭載されることになるのはフェルナンド・アロンソのクルマのほうだけだという。もちろん、アロンソにはこれによってグリッド降格ペナルティーが与えられることになる。
だが、これも現在マクラーレン・ホンダが味わっている激しい痛みの一部にしか過ぎない。
マクラーレンの最高権威であるロン・デニスは、日本GPが開催された鈴鹿で次のように語っていた。
「我々はもっと迅速に前進しようと試みていた。そして、そのことが信頼性に影響を及ぼしてしまい、すべてのことをいっそう難しくしてしまっていたんだ」
「だが、我々が自らに課したこの激しい痛みこそが、我々が本来到達すべきところへと導いてくれるための近道なんだ」
■メルセデスの顧客チームに最新スペックエンジンが提供されない理由は?
一方、伝えられるところによれば、メルセデスは今週末のソチに向けて顧客チームであるウィリアムズ、フォース・インディア、ロータスに新品のエンジンを供給したという。だが、これはワークスチームであるメルセデスAMGが搭載している最新型のエンジンではないようだ。
その理由について、シュミット記者は次のように説明している。
「問題は、ペトロナス(燃料サプライヤー)がこのタイプのエンジンに使用するための特別な燃料を許された時間内に十分に製造することができなかったということだ」
■ザウバーの新フェラーリエンジンも一世代前?
また、ザウバーもソチで新しいフェラーリエンジンを入手することになりそうだ。だが、これもフェラーリ自身はカナダGPで投入していたもので、その後イタリアGPでフェラーリが投入した“スーパーモーター”とも呼ばれる最新スペックのものではないと見られている。
■ルノーの新エンジンはお蔵入り?
そして、レッドブルとトロロッソに関してだが、当初の計画ではソチで新スペックのエンジンが投入される予定となっていた。だが、いまやルノーとの決別は決定的な状況となっており、この新エンジンが日の目を見ることはないかもしれない。
レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、ドイツの『Speedweek(スピードウィーク)』に次のように語った。
「現時点では、いつになったらそのエンジンが供給されるのか見えない状況となっているよ」