元F1ドライバーのデビッド・クルサードが、マクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソが来年はF1に出走しない可能性もあるだろうと語った。
鈴鹿で行われた2015年F1日本GP決勝では、アロンソが無線でホンダエンジンは下位カテゴリーのGP2で用いられるエンジンほどでしかないと叫んだことが国際映像を通じて全世界に伝えられた。もちろん、これはアロンソとマクラーレン・ホンダの関係悪化を示すものだと、メディアが大きく取り上げる事態となっていた。
アロンソに関しては、来シーズンは1年間F1活動を止めるのではないかとのうわさまで報じられているが、これについてスペインの『Marca(マルカ)』から質問を受けたクルサードは次のように答えた。
「分からないよ。だけど、ありえる話だとは思うよ」
「そうして欲しくはないけれどね。なぜなら、彼は偉大なチャンピオンだし、もっとF1タイトルを取るにふさわしいドライバーだからね」
現在、イギリスのテレビ局でF1解説を務めているクルサードは、マクラーレンとホンダのコミュニケーションのまずさが、改善の速度を下げることにつながっているのではないかとの分析を行っている。
クルサードは、ホンダが最終的にはうまくやるのは間違いないと思っていると主張したものの、次のように続けた。
「だけど、それには時間がかかるだろうし、それはフェルナンドやジェンソン(バトン)にとっては好ましいことではないだろう。あるいは、F1にとってもね」
「もしホンダが冬の間に大きな進歩を実現できれば、すべてが変わるだろう。だけど、もしそうならなかったときには、フェルナンドも15位争いを続けたいとは思わないだろうね」
そうなれば、アロンソは2016年には1年間F1を休んで念願であったル・マン24時間レースへのチャレンジを行い、マクラーレン・ホンダが本当に戦える状態となった2017年に再びF1に戻ってくるというやり方を選ぶ可能性もまんざらありえない話ではなさそうだ。
「それも選択肢のひとつだろうね。アラン・プロストもやったことがあるしね」とクルサード。
マクラーレン在籍時代に3度F1チャンピオンに輝いたプロストは、1990年にフェラーリに移籍するもそこではタイトルには手が届かなかった。プロストは1991年シーズン末にフェラーリを離脱したのち、1992年シーズンには出走せず、翌1993年に当時最強だったウィリアムズに移籍して4度目のF1タイトルを手中におさめたという経緯がある。
だが、クルサードは次のように続けた。
「だけど、それは想像しにくいな。マーケティングという観点から見ても、自分たちのドライバーが1年間レースをすることを望まないというのは、ホンダにとってはいいイメージではないからね」