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【マクラーレン・ホンダ】来季に向けて明るい兆候もあるとアロンソ

2015年10月07日(水)16:42 pm

今年のF1もあと5レースを残すところまできたが、マクラーレン・ホンダでは来シーズンに向けた準備として今シーズン残りのレースを位置づけているようだ。

今季、予想以上の苦戦を強いられているマクラーレン・ホンダだが、F1日本GPが行われた鈴鹿ではフェルナンド・アロンソがレース中にホンダエンジンに対して辛辣(しんらつ)な言葉を投げかけたり、ジェンソン・バトンも来季もマクラーレンにとどまるかどうか分からないと発言したりするなど、チーム内の足並みが乱れ始めた兆候が漂っていた。

だが、日本GP後にはマクラーレンとバトンが来季の契約を更新したことが発表された。また、アロンソも鈴鹿でのレース中の発言は一時的に興奮したためであり、今後もホンダとともにタイトルを目指すと発言。さらにはチームが新しいスポンサーを獲得したことも明らかとなるなど、マクラーレン・ホンダには一転して前向きな雰囲気が漂い始めている。

■マクラーレン総帥「鈴鹿は建設的な週末だった」

マクラーレン・グループの最高経営責任者であるロン・デニスは、『El Confidencial(コンフィデンシアル)』紙に次のように語った。

「私は(日本GPの前に)数日間東京で過ごしていたんだ」

「私がそこで過ごした時間は非常に建設的なものだったと思っているし、その後週末にかけて行われた話し合いはそれにも増して建設的なものだった」

デニスは、そうした話し合いの中から、間違いなくホンダが今後もF1を継続し、現在の問題の解決を目指すというメッセージを受け取ったと主張し、次のように続けた。

「ホンダではすべての人たちがF1へ挑戦するということがどういうことなのかを分かっているし、現在我々が置かれている位置に関してもはっきりと認識しているよ」

■ホンダ「現在の弱点とその克服方法は分かっている」

事実、ホンダのF1プロジェクト総責任者である新井康久も、ホンダのパワーユニットにおける最大の問題がERS(エネルギー回生システム)にあることを認めている。

スペインの『El Pais(パイス)』には、新井の次のようなコメントが紹介されていた。

「長いストレートがあるサーキットでは、(ERSによる)アシストパワーが最後までもたないんです。それにより、我々はおよそ160馬力を失ってしまうことになります。そこで失われるパワーは、内燃機関から得られるパワーをもってしても補うことはできません」

「しかしながら、この問題を今年中に解決するのは難しいでしょう。そのためには設計変更が必要となりますからね。ですから、我々はすでに来シーズンに向けた取り組みを行っています」

現在のF1エンジンルールでは、パフォーマンスの改善につながる開発は、統括団体であるFIA(国際自動車連盟)から割り当てられる“トークン”(開発引換券のようなもの)の範囲でしか行うことができないことになっている。2016年にホンダのパワーユニットが大きな進歩を遂げるために、現行ルールにおけるトークンで十分だと考えているかと質問された新井は、「ええ。それについては何の問題もありません」と主張している。

■アロンソ「僕は楽観的だ」

アロンソとしても同様に、もはや来季に期待をするしかない状況だ。

アロンソは今季の残り5レースにおいても、これまでと同じような苦しいレースが続くのは間違いないだろうと次のように語った。

「(今シーズンは)もう大きな進歩を果たすことは難しいだろうね。我々が今限界を抱えていることは非常に明白だし、これを改善するためには冬の間に時間をかけることが必要だよ」

「僕たちとしては、残りのレースを来年に向けた準備として利用し続けることになるだろう。空力の改善も必要だし、エンジンに関してももう少し経験を積むことが必要だからね」

「現時点では、僕たちには忍耐が必要だし、残り5レースでできることはそれほどないんだってことを理解する必要がある。改善の余地も大きいけれど、多くのことを変えていかないとね」

そう語ったアロンソは、次のように付け加えた。

「僕は楽観的だよ。来年に向けた初期兆候はいい感じなんだ。だから、どうなるか様子を見よう」

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