F1最高責任者であるバーニー・エクレストンが、2016年シーズンの参戦台数が今年と比べて大きく減少するようなことはないと考えていることを明らかにした。
■昨シーズン後半は4台減、今季は2台減
昨シーズン開幕時には、全11チームから合計22台がエントリーしていた。だが、初開催となったロシアGP(第16戦)後にケータハムとマルシャの2チームが経営破たんに陥るという事態を迎え、続くアメリカGPとブラジルGPの2レースは18台のみのエントリーとなっていた。
2014年シーズン最終戦ではケータハムが出走を果たしたことで20台が出走。ケータハムは結局生き残ることはできなかったものの、今季はマルシャがマノー・マルシャとして復活を遂げたことで何とか20台という出走台数を維持することができている。
■来季は新たに2台参戦も、10台が危機的状況
2016年からはアメリカのハースF1が新規参戦を開始することになっている。だが、現在ルノーによる買収計画が進められているロータスは重大な財政危機に陥っており、まだ来季の参戦が確定しているわけではない。
レッドブルとトロロッソはルノーとの決別が決定的だが、この両チームのオーナーである世界的エナジー飲料メーカーのレッドブル社は、仮に来季競争力のあるエンジンの供給を受けることができないようであれば、「F1から撤退する」と示唆している。
さらに、最近ザウバーとフォース・インディアの2チームが、欧州連合に対してF1が競争法違反を行っているとの訴えを起こしたことが明らかとなったが、この両チームも財政的には非常に厳しい状況に陥っており、このままではチーム存続が危ぶまれる状態だと言われている。
もしそうした要素すべてが最悪の方向へと向かえば、来季のF1グランプリに出走するF1カーは今年の半分近くにまで減る可能性すらある。
■1チーム3台体制は11月にわかる
だが、エクレストンは、そんな心配はしていないとオランダの『De Telegraaf(テレグラーフ)』に次のように語った。
「いくつかのチームは(1チームあたり)3台体制とすることを望んでいる。それに、みんなだって競争力のないクルマより、3台目のフェラーリが走るほうを好むはずだよ」
「我々がその方向へ進むかどうか、来月になれば分かるだろう」
そのころには、レッドブルのエンジン問題も山場を迎えていることだろう。そして、ルノーが正式にロータスを買収することになるかどうかもはっきりしているはずだ。
しかし、エクレストンも、レッドブルが今後どうなるかということについてはよく分からないと次のように続けた。
「さまざまな利害がからむ複雑な状況になっているからね。ライバルたちだって、自分たちが提供した武器によってやられてしまうというリスクを冒してまで彼ら(レッドブル)を助けようとはしないだろう?」