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ミカ・ハッキネン、レッドブルがF1撤退をほのめかすのも当然

2015年09月30日(水)12:30 pm

1998年と1999年に2年連続でF1チャンピオンとなった元F1ドライバーのミカ・ハッキネンが、現在レッドブルがF1からの撤退を示唆している件に関し、非常によく理解できると語った。

世界的エナジー飲料メーカーであるレッドブルは、現在レッドブル・レーシングとトロロッソの2チームを所有し、いずれもルノーからエンジンの供給を受けている。

■成績悪化の道をたどる4年連続チャンピオンチーム

2010年から2013年にかけてルノーエンジンとともに4年連続でドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトルを手中に収めていたレッドブルだが、新エンジンルールが導入された2014年にはメルセデスAMGに大きく差をつけられてコンストラクターズ選手権では2位に沈んだ。巻き返しを期して臨んだ今季だったが、ルノーエンジンは開幕からパフォーマンスと信頼性両面で大きく後れをとり、現在のランキングはメルセデスAMG、フェラーリ、ウィリアムズに次ぐ4番手にまで後退してしまっている。

昨年以来、レッドブルとルノーの関係は悪化の一途(いっと)をたどっており、来季からルノーが自らのワークスチームを復活させることがほぼ確実な状況のもと、両者が今季限りで決別するのはほぼ確実だと見られている。

■ルノーと決別も戦えるエンジンの入手は困難

来季以降もF1参戦を継続するためにはルノーに代わる新エンジンパートナーと組むしかないレッドブルだが、一時は歩み寄りが伝えられたメルセデスが供給を拒否。伝えられるところによれば、マクラーレン総帥のロン・デニスもホンダとレッドブルがカスタマー契約を結ぶことを妨害しているという。

一方、今季エンジン面で大躍進を遂げたフェラーリでは、レッドブルへのエンジン供給を行ってもよいとの意思表示を行っているものの、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、フェラーリも自分たちを“妨害”しようとしていることに変わりはないとドイツの『Bild(ビルト)』紙に語っている。

それは、フェラーリがレッドブルに来季提供を申し出ているのは、2015年スペックのパワーユニットに過ぎないためだ。

マルコに言わせれば、現在フェラーリからパワーユニットの支給を受けているザウバーや、来季から実質的にフェラーリのBチームとしてF1参戦を開始するアメリカのハースF1には最新型のパワーユニットが提供されることになっており、レッドブルだけに旧型のものを供給するという条件では「話にならない」と言うわけだ。

■ふくらむF1撤退の可能性

そうした状況のもと、レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーによれば、レッドブル総帥のディートリッヒ・マテシッツはすでにF1に対して「幻滅」しているといい、レッドブルがF1から撤退する可能性が非常に高まってきているようだ。

F1関係者の中には、今の状況を招いたのは、レッドブルがあまりにも厳しくルノーを批判したせいであり、ある意味では自業自得だと考えているものもいる。

だが、ハッキネンは自身のスポンサーである『Hermes(エルメス)』との最新インタビューの中で、レッドブルがこの問題が解決されなければF1から撤退すると示唆していることについてはよく理解できると次のように語った。

「僕はレッドブルの言うことは完全に理解できるよ」

「彼らがつい最近F1で4連覇したことを忘れてはならないよ。そんな彼らが以前より低い目標を設定することなどできるわけがないからね」

かつてマクラーレンで活躍したフィンランド出身ドライバーであるハッキネンは、次のように付け加えた。

「彼らとしては、少なくとも現実的にF1タイトル争いができるチャンスが欲しいと考えているんだ」

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