メルセデスAMGの非常勤会長を務めるニキ・ラウダが、今週ロンドンを訪れ、F1最高責任者のバーニー・エクレストンに、どうして先週末のF1日本GPの国際映像が少々奇妙な形となっていたのか問いただすつもりだという。
【結果】F1日本GP決勝の順位、タイム差、周回数、獲得ポイント
前戦シンガポールGPでは突然のスランプに陥ったものの、鈴鹿ではメルセデスAMGが圧倒的な強さを取り戻り、見事に今季8度目となる1-2フィニッシュを決めていた。
ところが、スタートからチェッカーフラッグまで、ほぼ90分に及んだレース時間のうち、メルセデスAMGのクルマが国際映像に映った時間はわずかに5分56秒しかなかったという。そして、どうしてメルセデスAMGがこれほどまでに映されなかったのかということに疑問を感じたのは当のメルセデスAMGばかりではなかった。
かつて3度F1王座に輝いた伝説的元F1ドライバーでもあるラウダはこれに関し、次のように語った。
「あまりいろいろと言うことはできないが、レースリーダーだったルイス(ハミルトン)のピットストップでさえ、彼がコースに出て行くところが映されただけだった。どのように彼らがタイヤを交換していたかも見ることができなかったんだ」
ドイツでF1の無料放送を行っているテレビ局『RTL』も今回の日本GPでの映像に疑問を呈している。『RTL』のスポークスマンであるマティアス・ボルホファーは、ドイツの『Welt(ヴェルト)』に次のように語った。
「もちろん、我々だって視聴者に対して、もっと先頭集団の映像を届けたかった。だが、我々は国際映像に対して口出しすることはできない。送られてきた映像を流すことしかできないんだ」
F1レースの映像は、エクレストンが率いるF1商業権管理会社であるFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)が世界に向けて配信するテレビ映像を管理している。鈴鹿でのレース後すぐにささやかれ始めた憶測によれば、エクレストンがレッドブルへのエンジン供給を拒絶したメルセデスに対する報復として、メルセデスAMGが映像に映らないように指示を出していたのではないかと言われている。
84歳となるエクレストンは、アジアのはてにある鈴鹿で行われた日本GPには姿を見せていなかった。ラウダは日本GP決勝が行われた27日(日)に、『RTL』に対し「私はバーニーに会いに行き、どうしてこうなったのか尋ねるつもりだよ」と語ると、次のように付け加えた。
「私は火曜日(29日)にイギリスに行き、彼にいったいどういうことだったのか尋ねるつもりだし、カメラに何か問題でもおきていたのかと聞くつもりだよ」
うわさされているような、メルセデスに対する仕返しだったという可能性があると思うかと尋ねられたラウダは、一呼吸置いたあとで次のように答えた。
「常にバーニーを満足させることはすごく難しいことなんだ」
「(ロンドンに)それを確かめに行くよ」