2016年には過去最多の年間21レースの開催が予定されている。だが、F1イギリスGPの開催に暗雲が立ち込めてきているようだ。
イギリスの『Telegraph(テレグラフ)』紙が、シルバーストン・サーキットの経営責任者であるパトリック・アレンが、資金難が大きな問題となってきており、このままでは伝統のレースが失われてしまう可能性もあると語ったと報じている。
F1ビジネス記者として知られるクリスチャン・シルトらによれば、シルバーストンではF1の商業権を取り仕切っているバーニー・エクレストンに対し、レース開催権料の支払いが1年遅れている状態となっており、2016年もシルバーストンでF1レースが開催されることを確実とするためには、「信用状」の提出が必要な状況となっているという。
F1最高責任者であるエクレストンもその報道内容を認め、次のように語った。
「彼ら(シルバーストン)は来年、今年分のレース開催権料を支払うことになっている。私がそうすることを認めたからだ。そうしなければ彼らはレース開催を続けることができなかっただろう」
そして、アレンは今、次のように語っている。
「私に将来を保証することができるかって? いや、できない」
「エクレストン氏に対し、“ご心配なく。今後10年にわたってあなたのお金は安全ですよ”と誓えただろうか? いや、それはできなかった」
「契約を失ってしまうことはシルバーストンにとって悲しいことだし、モーターレーシングにとっても悲しいことだ。そして何より、イギリスにとって非常に悲しいことになってしまうだろう」
アレンは、この問題の解決策は、シルバーストンを買収してくれる者を見つけることだと示唆し、次のように続けた。
「誰か大金を持ち、自動車レースを愛し、シルバーストンをうまく運営したいと本当に望む者がいて欲しいよ。そして、このビジネスに資本を投下できれば、貸借対照表も安定したものとなり、リスクも減ることになるだろう」