フェラーリのチーム代表を務めるマウリツィオ・アリバベーネが、今年のフェラーリにはF1タイトルを獲得できるチャンスなどはないと語った。
■再びメルセデスAMGに付き離されたフェラーリ
今年のF1第13戦シンガポールGPでは、メルセデスAMGが突然失速し、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)がポール・トゥ・ウィンを達成していた。
アリバベーネは、今シーズン開幕前に、今季は3勝することが目標だと語っていた。だが、シンガポールでその目標を達成してみせたベッテルは、今季4勝目にチャレンジし、「不可能を可能に変える」つもりだと宣言していた。
しかし、先週末に鈴鹿で行われた日本GPでは、メルセデスAMGがまたいつもの強さを取り戻した。シンガポールGP後には49ポイント差に縮まっていたベッテルとランキングトップのルイス・ハミルトンとの差はまた59ポイントに開き、今季のタイトルはまた一歩ベッテルから遠のいてしまった。
■大きな幸運がなければメルセデスAMGには勝てない
そうした状況を受けてか、アリバベーネは、フェラーリがメルセデスAMGに勝つチャンスは、宝くじを当てるに等しいものだと次のように語った。
「宝くじを当てれば億万長者になれる。だが、それにはものすごい幸運が必要だ。そして、今の我々にはそれと同じくらいの幸運が必要だよ」
だが、アリバベーネは、シンガポールで勝利はしたものの、フェラーリでは今後もメルセデスAMGと対等に戦い続けることができるだろうというような幻想を抱いたりはしなかったと次のように続けた。
■着実に差は縮まっているとアリバベーネ
「本当の意味での比較をするには、シンガポールのようなサーキットではなく、シルバーストン(イギリス)のような伝統的なサーキットでないとだめだということは分かっていたしね」
「だから、私にとって重要なことは、メルセデスAMGとのイギリスでの差と日本での差を比較すれば、我々が追いついてきているということなんだ。だから、私としてはうちのエンジニアたちの仕事に誇りを感じているよ」
そう語ったアリバベーネだが、2週間後に行われるロシアGPの舞台となるソチは、鈴鹿同様にフェラーリにとっては理想的なサーキットとは言えないと付け加えた。