レッドブルのヘルムート・マルコが、2016年に向けたエンジン供給交渉の状況を語った。
レッドブルは、ルノーに契約打ち切りを申し入れ、ルノーCEOカルロス・ゴーンもこれを了承したと言われている。
マルコは『Speedweek(スピードウィーク)』のインタビューで、次戦のF1シンガポールGP(20日決勝)でルノーと話し合いが行われ、最終決定すると明かした。
「日程は確定はしていないが、シンガポールまでに、あるいはシンガポールで、ルノーと話し合いが行われる。そこでこうしたことが議論され、解決方法が決定するだろう」
■メルセデスとの交渉は決裂
また、メルセデスとの交渉はまとまらなかったとマルコは次のように話している。
「メルセデスとの話し合いは、深まる前に終わった。ある条件があったために、詳細な議論に近づくことすらなかった」
「どのエンジンとやることになるかは、見てみるしかない」
「ひょっとすると、それ(別メーカーのエンジン)でも、彼らを倒すことになるかもしれない。そうなったら、メルセデスエンジンでやられるより彼らにとっては不愉快だろうね」
■来季の開発に影響は
ホンダはルノー以上に苦戦している状況だけに、来年レッドブルが使うパワーユニットはフェラーリになると考えられる。フェラーリ会長のセルジオ・マルキオンネは、レッドブルに供給する意図があることを公言している。
マルコは、レッドブルだけでなくトロロッソも同じエンジンになることが「理想的な解決策」だと話す。
いずれにしても、交渉を早期にまとめる必要がある。しかし、まだ来季の開発に影響する時期ではないとマルコは話す。
「レッドブル・レーシングは技術的に有利な立場にいる。トロロッソほど時間に押されることはない。トロロッソは単純にチームが小規模だから」
「だが、決定が早いほどいいのは明らかだ」
■フェラーリエンジンは「第一歩」に過ぎない?
フェラーリエンジンは、ほかのメーカーとワークス提携をするまでの一時しのぎなのかと聞かれると、マルコは否定せず、次のように答えた。
「われわれはこれ(フェラーリとの契約)を、競争力のあるエンジンを得るための第一歩と捉えている。そうすれば最初から足かせをかけられた状況ではなくなる」
『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』のミハエル・シュミット記者は、レッドブルの長期的な目標は、オーストリアのエンジン開発会社AVLと、イルモア・エンジニアリング、VWブランドとの提携だろうと書いている。