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ルノーによるロータス買収が決着を見ない理由は?

2015年09月08日(火)18:54 pm

ロータスの買収に動いているルノーだが、なかなか最終決定に至らない理由が、その後のルノーF1チームの位置づけ問題である可能性が示唆されている。

一方、そのルノーが、財政難に陥っているロータスに対して救済の手を差し伸べたことが明らかとなった。

先週末にモンツァで行われたF1イタリアGPを終えると、ロータスはまっすぐロンドン高等裁判所へと向かっていた。イギリスの税務当局は、エンストンに拠点を構えるロータスを管財人の手に委ねるべきだと主張していたことに関する審理が行われたためだ。

だが、この税金未払いに関する訴訟に関しては、次戦F1シンガポールGPが開幕を迎える9月18日(金)まで審理が延期されることになったと伝えられている。

『Telegraph(テレグラフ)』のダニエル・ジョンソン記者によれば、「ロータスは今のところ、聴聞会に参加したルノーの代表者によって救われたようだ」という。

だが、ルノーによるロータス買収交渉が、いまだに最終決着を見ていないのも事実だ。

ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、ロータス買収問題の進展が遅れている理由は、ルノーが新たに立ち上げるワークスチームに関し、F1最高責任者のバーニー・エクレストンがフェラーリやメルセデスAMGといった大規模チームたちに与えているものと同じ“特別待遇”を受けられることを望んでおり、そこで発生する収益をロータスの買収資金に充てたいと考えているためのようだと書いている。

同誌のベテラン記者であるミハエル・シュミットは、「最大の障害となっているのは、エクレストンからカルロス・ゴーン(ルノー最高経営責任者)に対して(待遇面について)文書で通知されていないことだ」と書き、次のように付け加えている。

「エクレストンは、ゴーンに対して口頭で2005年と2006年にF1タイトルを取っていることでルノーもそうしたファクトリーチームの仲間入りができるとの約束を行っていた」

つまり、一定の期間についてはジェラルド・ロペスが率いるジェニイという企業がオーナーとなっていたものの、チーム自体はかつてルノーF1としてF1タイトルを獲得したチームと同じだ。

ルノーとしてはその実績を通算することが認められるという確証を得たいということのようだ。そうすれば、その実績をもとに新規参入チームなどとは違う処遇を受けられることになるわけだが、それが文書できちんと確約されないうちは最終決定に進めないということのようだ。

ともあれ、ルノーとの買収契約が成立しない限り、ロータスの財政状態はいまや破たん寸前となっているのは間違いないようだ。ロータスの匿名スタッフは、次戦のシンガポールGP(20日決勝)、そしてその次の日本GP(27日決勝)は、参戦すること自体が「危機的状況となるだろう」と語ったとされている。

こうした状況の下、ロータスのドライバーを務めるロマン・グロージャンも非常に不安を抱えているのは間違いないだろう。スイスの『Blick(ブリック)』紙によれば、フランス出身のグロージャンは、フェラーリエンジンを搭載して来季F1デビューを飾るハースF1への移籍も視野に入れて動いているようだという。

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