ジェンソン・バトンは2016年もマクラーレン・ホンダのシートを守りそうだ。
チームを取り巻く状況は厳しい。うわさによるとここまで支援を続けてきたジョニー・ウォーカーやスペインのサンタンデール銀行らは、今季の大苦戦を理由にスポンサーシップを打ち切るかもしれない。
そのうち洋酒ブランドのジョニー・ウォーカーは、マクラーレンと「継続的に話し合っている」ことをイギリス『Telegraph(テレグラフ)』紙に明らかにした。
心配のタネはスポンサー離れだけではない。このままでは今季F1コンストラクターズ世界選手権でほとんど最下位に甘んじ、順位に応じて支払われる年間賞金の額が大幅に減りそうだ。これには、過去の栄光を知る元マクラーレンのルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)も心配顔である。
「あの歴史あるチームが(マノー)マルシャを相手に戦っているなんて、奇妙な感じだね」とハミルトン。「ここまで堕ちてしまったことが僕には信じられない」
収入が減ったら、あとは支出を抑えるしかない。ジェンソン・バトンを手放して、ギャラが安い控えドライバーのケビン・マグヌッセンと2016年の契約を結ぶのはひとつの方法だ。
だが、それは間違いだとハミルトンは言う。
「あのチーム(マクラーレン)には方向性が必要だ」「この困難な時期を乗り切るには、(バトンとフェルナンド・アロンソの)両ドライバーにいてもらわないと」
最近の兆候からは、バトンのシートは以前より安泰な様子がうかがえる。
レーシングディレクターのエリック・ブーリエが言うには、マクラーレン若手育成プログラムに所属するマグヌッセンとストッフェル・ファンドールネに来季F1レースシートを与えてやりたいが、チームは両ベテランの組み合わせに満足している。
「われわれは2人のF1世界タイトル経験者を抱えている。現時点では、彼らをキープするつもりだ」
22歳のデンマーク人マグヌッセンは、イギリス『Mirror(ミラー)』紙にこう話す。「どうやらチームは、このまま2人(アロンソとバトン)とやって行くみたいだ」
「僕としては、もう1年、座して待つつもりはない。来年はレースをしなければと心に決めた。もしF1がだめなら、どこか他をあたるまでだ」