F1公式タイヤサプライヤーのピレリが、今週末のF1イタリアGP(6日決勝)に向け、3日(木)にも、タイヤに関してより厳しいガイドラインをF1チームに対して示すことになるようだ。
もちろん、これは、前戦ベルギーGPにおいて、ニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)とセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)のタイヤが相次いで破裂事故を起こしたことを受けてのものだ。
ピレリではそれに併せて、スパ・フランコルシャンで行われたベルギーGP決勝において、残り2周のところで破裂したベッテルのタイヤは、コース上のデブリ(異物)を踏んだことによる損傷がその直接的な原因であったとの調査結果を発表することになると考えられている。
ベルギーで起きたタイヤ破裂で3位表彰台はおろか、1ポイントもとれずに終わったベッテルは、レース後にピレリタイヤの安全性や品質面について、声高に批判を行っていた。
これに対し、ピレリでは当初、ベッテルのタイヤ破裂に関しては、1回ストップ作戦をとったフェラーリがそのタイヤで多くの周回を行ったことによる摩耗が原因だったとし、フェラーリがあまりに攻撃的な作戦をとったことがそうした事態を招いたものだとのコメントを行っていた、
いずれにせよ、そうしたタイヤ破裂事故を受け、ピレリではF1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)の承認のもとで、安全対策の一環として、各タイヤコンパウンドにおける最大周回数制限を設けることになると言われている。そして、今後はこれを各チームが順守するよう義務付けることになるようだ。
今週末にレースが開催される高速サーキットのモンツァではミディアムとソフトのコンパウンドが供給されることになっている。仮に、最大周回数制限がこのレースから導入されることになれば、ミディアムは最大46周まで、ソフトは最大29周までと定められることになると考えられている。
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、この問題に関しては、ジャン・トッドFIA会長と、ピレリの最高経営責任者であるマルコ・トロンケッティ・プロベラの間で最優先課題として話し合いが続けられてきていたと伝えている。
さらに、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』のミハエル・シュミット記者は、モンツァではさらに保守的なタイヤキャンバー(取り付け角度)や空気圧が義務付けられることになるのは間違いないとしている。
シュミット記者は、キャンバーに関しては最大値がこれまでの3.5度から3度へと減らされ、最低空気圧に関してはおよそ23PSI(ポンド毎平方インチ)へと高められ、それによってタイヤへかかる圧力による負担を軽減することが目指されると書いている。
【ピレリタイヤ事故関連の発表】
・【タイヤ破裂問題】エクレストン率いるFOM、ピレリタイヤ破裂に公式声明発表 その背景は?
・【タイヤ破裂問題】その原因は?ピレリ、モンツァでベッテルのタイヤ破裂調査結果を発表
【ピレリタイヤ事故で様々な意見】
・ピレリタイヤ破裂事故対応を支援するFIA、GPDAブルツ会長は「説明が不十分」
【ベッテルは激怒、ウェバーも擁護】
・ベッテルがピレリを批判した理由…タイヤだけが理由ではなかった
【金曜日にはロズベルグのタイヤが突然破裂】
【2017年の選定に影響か】
【関連ニュース】