いまや破たん寸前とも言われる厳しい財政状況に置かれているロータスだが、今週末のF1イタリアGPにも出走できるかどうか不透明な状態となってきているようだ。
前戦ベルギーGPが行われたスパ・フランコルシャンでは、ロマン・グロージャンが今季初めて3位表彰台に上る活躍を見せた一方で、訴訟騒ぎに巻き込まれたチームは、資材に対して仮差し押さえ命令が出されるなどの状況を迎えていた。
F1最高責任者バーニー・エクレストンがチームスタッフの賃金支払いを肩代わりしたこともあり、ロータスも今週末にイタリアGPが行われるモンツァへと姿を見せたものの、ほかのチームがすでにガレージの準備などを行っている中、ロータスの準備が遅れていることは目に見えて明らかな状態だった。伝えられるところによれば、ロータスのトランスポーターがモンツァに到着したのは、2日(水)の昼ごろだったという。
パストール・マルドナードのスポンサーであるPDVSA(ベネズエラ国営石油会社)が、状況が不透明であるとの理由でスポンサーマネーの支払いをストップしていると伝えられており、まさに現在のロータスは一文無しという状況のようだ。
さらに、ロンドンでは債権者グループがロータスに対して新たな訴訟を4日(金)に起こす準備を整えているとも伝えられており、場合によってはまたモンツァのロータスのガレージに管財人が姿を見せることになる可能性もあるようだ。
また別のうわさでは、ロータスからの支払いを受けられないことで、部品サプライヤーなども最近ではレースに必要なパーツの供給を停止しており、実際にモンツァではクルマを走らせることができるだけの部品がそろわないようだとも言われている。
ベルギーGPでは、ピレリがタイヤ代金未納を理由にタイヤの供給を一時拒否しており、金曜日の朝にやっとタイヤが供給されたという経緯もあった。今回、不足している重要なパーツというのがタイヤなのか、その他のパーツのことなのかは明らかとなっていないが、いずれにしても、ロータスが厳しい状況を迎えていることは間違いなさそうだ。
そんなロータスに関し、チームがモンツァへ姿を現してはいるものの、それは実際にレースをするためではなく、ルノーによる買収決定を待ちながら、単にレースに参加するという姿勢を見せるためではないかといううわさもささやかれている。
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