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【ピレリタイヤ破裂問題】ピレリ、モンツァでベッテルのタイヤ破裂調査結果を発表。その原因は?

2015年09月01日(火)18:48 pm

前戦F1ベルギーGP(第11戦)決勝で起こったセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)のタイヤ破裂に関する調査を終えたF1公式タイヤサプライヤーのピレリは、今週末にイタリアGP(6日決勝)が開催されるモンツァで、その結果を正式に発表する予定だ。

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■ベッテルのタイヤ破裂原因はデブリ?

ベルギーGP決勝が残りあと2周となったところでタイヤが破裂し、ほぼ手中に収めていた3位表彰台を逃すとともに、ノーポイントでレースを終えることになったベッテルは、レース後にピレリタイヤの安全性について強く非難。一方のピレリは、フェラーリが1回ストップというリスクを伴う作戦をとったことによるタイヤの摩耗がその原因だったと主張していた。

ベルギーGPでは、その2日前の金曜フリー走行でも、メルセデスAMGのニコ・ロズベルグの右リアタイヤが同様の破裂事故を起こしていた。これに関して、ピレリではコース上のデブリによってタイヤが損傷を受けたことがロズベルグのタイヤ破裂の原因だろうとしていた。

イタリアの『Autosprint(オートスプリント)』は、ピレリでは恐らく、ベッテルのタイヤ破裂も摩耗によるものではなく、コース上のデブリによる損傷がその原因となったと発表することになるだろうと推測している。これは、ピレリが調査した結果、スパ・フランコルシャンで用いられたタイヤのうち60本に、そうしたデブリによるものとみられる損傷があったという事実からも、その可能性が高いと考えられるためだ。

■昨年より軟らかいコンパウドが使用されるモンツァ

昨年までは、タイヤへの負担が大きい高速サーキットのモンツァでは最も硬い組み合わせとなるハードとミディアムが供給されていたものの、今年のイタリアGPには、ピレリはベルギーと同じミディアムとソフトという組み合わせのタイヤを持ち込むことになっている。

ザウバーのトラックエンジニアリング責任者であるジャンパオロ・ダラーラは、その判断を歓迎すると次のように語った。

「(モンツァでは)これまで何年かにわたってミディアムとハードが使われていたが、ミディアムとソフトの組み合わせのほうが理にかなった選択だ。それによって新たなシナリオが展開されるだろうし、その選択による利益は大きいはずだ」

■ピレリタイヤの構造上の欠陥を疑うウェバー

だが、そもそもピレリタイヤ自体が構造上の欠陥を抱えているのだと考えている者もいる。

2013年までレッドブルで活躍していた元F1ドライバーであり、現在はポルシェからWEC(世界耐久選手権)に出走しているマーク・ウェバーは、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語った。

「(スパでの)タイヤのダメージがタイヤコンパウンドと関係があるとは信じていないよ。そんなことを言うなら、モナコではほんの5周くらいしか使えないってことになるからね」

■ライバルにプレッシャーをかけるミシュラン

2017年からF1では3年間の新たなタイヤ供給契約を結ぶことになる。それに向けて、現在のサプライヤーであるピレリと、再びF1公式タイヤサプライヤーへ復帰することを目指すミシュランが指名を得るための交渉過程に入っている。

だが、今回ベルギーで起こったピレリタイヤの破裂事件はミシュランのほうへの追い風となるのではないかとも考えられている。

ミシュランのモータースポーツ責任者であるパスカル・クアスノンは、ドイツの『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』に次のように語った。

「我々はスパのことは非常によく知っている。毎年そこでWECのレースがあるからね。我々としては、あそこはタイヤにとってすごく厳しいサーキットだということも分かっているよ」

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