メルセデスAMGは、スタートを改善するためクラッチシステムの変更に取り組んでいる。
2015年も圧倒的な強さを見せているメルセデスAMGだが、F1第9戦イギリスGP以降、ハンガリーGP、ベルギーGPと3レース続けてスタートで出遅れた。
メルセデスAMGチーム代表のトト・ヴォルフは、「受け入れられない」と深刻にとらえている。
ベルギーGPのスタートで大きく出遅れたニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)は、自分が「失敗した」と認めているが、フォーメーションラップが2度行われたことも要因の1つだと説明する。
「そうすると、すべての温度が高くなって状況が変わってくるんだ」
■ルール変更で最大の影響を受けたメルセデスAMG
ベルギーGPからは、スタート前のクラッチの設定変更とドライバーへの無線による指示が禁止された。
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、メルセデスAMGのスタートシステムは複雑で、すべてのパラメーターがグリーンゾーンなら、他チームより優れたスタートができると伝える。
だが、問題は、「1つでもウィンドウ(適切な範囲)から外れると、シルバーストン(イギリスGP)やブダペスト(ハンガリーGP)のように裏目に出る」ことだとメルセデスAMGのエンジニアが打ち明けている。
「われわれのクルマは、クラッチやタイヤの温度、バイトポイントなどのウィンドウが非常に狭い」
「新ルールによって、スタート前に微調整することができない。われわれは、ほかより大きな影響を受けている」
■クラッチシステムの変更には時間がかかる
この新ルールのもとでスタートを改善するため、メルセデスAMGは解決方法を探っている。
しかし、「2週間で解決できるような問題ではない」と『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は伝える。次のイタリアGP(9月6日決勝)でも苦しむ可能性がある。
メルセデスAMGは、シンガポールGP(9月20日)までには解決したいとしている。
「スパ(ベルギーGP)とモンツァ(イタリアGP)ではスタートが悪くても何とかなる。追い抜きが可能だからだ」とメルセデスAMGのエンジニアは話している。
「しかし、シンガポールには解決して臨む必要がある」