先週末のF1ベルギーGPから4日が経過した27日(木)、ロータスF1チームがやっとその黒と金で彩られたF1カーともどもスパ・フランコルシャンを後にしたと伝えられている。
【結果】F1ベルギーGP決勝の順位、タイム差、周回数、獲得ポイント
F1カーや輸送用トラックを含むロータスがスパに持ち込んでいた資産は、元控えドライバーのシャルル・ピックが起こした損害賠償訴訟により、裁判所から仮差し押さえ命令が出され、ベルギーGP後もイギリスの本部に送り返されることなくスパにとどまっていた。
フランス人ドライバーであるピックは、ロータスに対し、契約違反に伴う賠償金として80万ドル(約9,600万円)の支払いを求めていたと伝えられている。
ともあれ、フランスのテレビ局『Canal Plus(カナル・プリュ)』が報じたところによれば、ロータスもやっとスパを離れることが認められたようだ。
「ロータスとピックの争いはまだ完全に決着を見たわけではないが、一定の進展が見られたようだ」と『Canal Plus(カナル・プリュ)』は伝えている。
ひょっとすると、ロータスとルノーによる交渉が何らかの動きを見せたことがその「進展」につながったのかもしれないという見方もある。
再びワークスチームを擁してのF1復帰を目指すルノーが、かつて自社チームであったエンストンに拠点を置くロータスを買い戻すための交渉を行っていることはすでに誰もが知るところだ。
フランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』は、ルノーは現在、750万ユーロ(約10億円)の支払いをロータスに申し出るとともに、今後10年間にわたって、現在のロータスのオーナーに対して総額5,000万ユーロ(約68億円)の支払いを行うという条件を提示していると報じている。
その場合、ルノーは現ロータスチームの株式のうち60%を取得することになるという。さらに、現在ルノーのアンバサダーを務めるアラン・プロストが10%のオーナーとなり取締役会の構成メンバーに加わることになるのではないかと見られている。
そして、現ロータスオーナーであるジェラルド・ロペスは、30%の株式を持つ共同オーナーとして残り、恐らくはコンサルタントという身分でチーム運営にかかわっていくことになるのではないかと記事は伝えている。
最近では、フォース・インディアの買収に方向転換するかもしれないとも伝えられているルノーだが、ロータスの関係者はルノーによるチーム買収がすぐにでも成立することを願っているようだ。
ロータスのトラックサイドオペレーションズディレクターを務めるアラン・パーメインは、『APA通信』に次のように語った。
「もろ手を挙げて彼ら(ルノー)を歓迎するよ。(現在のエンジンパートナーである)メルセデスとも素晴らしい関係を築いてはいるが、再びファクトリーチームとなれれば素晴らしいことだからね」