21日(金)のフリー走行2回目、ニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)が時速300キロ以上で走行中にいきなり制御不能となったタイヤ破裂事故で、ドライバーたちはピレリに説明を求めている。
スパ・フランコルシャンはF1カレンダーの中でも高速で、何かあれば危険なサーキットのひとつだ。ロズベルグ本人も、壁に激突せずに済んだのは運転の才能よりむしろ運のおかげと認めている。
F1で豊富な経験を持つメルセデスAMGの技術総責任者パディ・ロウは、あんな事故は過去に見たことがないと話す。事故の数分前には、タイヤ構造の「ほころび」がありありと見て取れたのだから。
「最高速で走行中に起きた事故だ。まずいよ」とロウ。
ロズベルグは、異物を踏んだ覚えはないとしている。
タイヤを製造したピレリは今のところ、事故について調査中と言うのみだ。黙っていられないドライバーたちは、ピレリやFIA(国際自動車連盟)に直接、懸念を伝えている。
セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)は言う。「ドライバーズ・ミーティングで討議するつもりだ」「何が起きたのか、できればもっと多くの情報を得たい」
フェルナンド・アロンソ(マクラーレン・ホンダ)はスペインの日刊紙『Marca(マルカ)』に次のように語る。「彼ら(ピレリ)は調べていると言うが、もともと(メルセデス)に限った問題じゃないからね」
事故を受けてピレリとFIAは、タイヤの使用法を守るよう各チームに念押ししたとみられる。指定された空気圧とキャンバー角を守ってほしいというわけだ。
しかしロウによると、ロズベルグのタイヤはメーカーが定める基準を守って取り付けられていた。
「何が起きたのか理解することが重要だ」とブラジル『Globo(グローボ)』紙に話すのは、フェリペ・マッサ(ウィリアムズ)。「僕らは当時の出来ごとを知る必要がある。同じ事故を繰り返さないためにね」
「あす(22日)には現状を把握しておきたい。ピレリが正しい答えをくれるよう願うよ」
タイヤ破裂はさておき、初日フリー走行の最速はロズベルグだった。選手権ライバルでチームメートのルイス・ハミルトンは、このままではトップに立てないと思っている。
F1 CEOバーニー・エクレストンはスパで、こんなことを言っている。
「まさかモンツァ(第12戦イタリアGP)でルイス(ハミルトン)にタイトルを決めて欲しくないね。だって、そうだろう?」