かつて3度F1チャンピオンに輝いた伝説的元F1ドライバーであるニキ・ラウダが、世界最高峰の二輪レースであるMotoGPのほうがF1よりも見ていて面白いと語った。
現在、圧倒的な強さを誇るメルセデスAMGの非常勤会長を務めるラウダは、先週末にチェコで行われたMotoGP第11戦を観戦に訪れていた。
MotoGPの公式サイトには、ラウダがスペインの『El Mundo Deportivo(ムンド・デポルティーボ)』に対してブルノ・サーキットで語ったコメントが次のように引用されている。
「見ていてとても面白いね。ライダーが自分のバイクを操るのに必死になっているのが分かるんだ」
「残念ながら、F1ではこれとは正反対の状態になっている。今のF1カーは運転が非常に楽になっており、横滑りすることさえないからね」
そう語ったラウダは、F1が2017年に向けてF1カーの速度を上げるなど、より観衆に喜ばれるモータースポーツにするために進めている改革には大賛成の立場をとっている。
それでも、ラウダは、新たな「パワーユニット時代」を迎えた今、メルセデスAMGが大成功を収めていることについてはそれが悪いことだとは思っていないとオーストラリアの『Age(エイジ)』紙に次のように主張している。
「私は政治には関与していないんだ。私のここでの仕事はトト・ヴォルフ(ビジネス担当責任者)やパディ・ロウ(技術担当責任者)と一緒に勝利を目指すことだし、そこにはなんの妥協もないよ」
「あるチームが、何が可能なのかを示せば、ほかのチームにとっても追いつくのは簡単になるものさ」
ラウダが言及しているほかのチームとは、当然フェラーリのことだろう。夏休みに入る前のF1ハンガリーGPではセバスチャン・ベッテルが今季2勝目をチームにもたらし、シーズン後半に向けてメルセデスAMGに追いつくための勢いをつけていた。
「我々は、のんびりと腰を下ろして“我々は強いんだ”などと言うことは決してできない。そんなことをすれば、それで前進は止まってしまう」
そう語ったラウダは、次のように付け加えた。
「私としては、夏休みが終われば、フェラーリが新たなエンジンと改良されたクルマで戻ってくるだろうと言っておこう。彼らが追いついてくることに疑問の余地はないね」