2016年からF1に新規参戦するハースF1チームは、最初から競争力を示すことができるだろうとオーナーであるジーン・ハースが語った。
すでにアメリカで最も人気のあるモータースポーツNASCARにも共同オーナーとしてチームを送り込んでいるハースだが、F1参戦にあたってはフェラーリと密接な提携契約を結んでいる。
近年の歴史を見ても明らかだが、新規参入チームにとって、巨額の費用が必要とされるF1で生き残っていくのは非常に大変なことだ。
2010年に参戦を開始した3チームのうち、すでにHRTとケータハムは姿を消している。当初ヴァージンとして参戦を開始したマルシャも2014年に経営破たんに陥った。だが、2014年にランキング9位となったことで多額の賞金を受け取る権利を有していたことから、現在はマノー・マルシャと名前を変えて何とか生き延びている状態だ。
ハースは、世界的大手産業機械メーカーであるハース・オートメーション社の設立者としても知られているが、このほどポルトガルに新たに設立された代理店のオープン記念式典において次のように語った。
「我々(ハース・オートメーション)は工作機械メーカーだ。だから、世界でも最も困難なレースで戦えるようになりたいんだ。工作機械の製造も決して簡単に始められるビジネスではないからね」
62歳となるハースは、最近の小規模F1チームたちが犯した過ちを繰り返すことはないという自信を持っていると次のように続けた。
「我々はすでにNASCARで10年以上チームを運営しており、成功を収めてきている。2度タイトルも獲得したよ」
「我々はレースのことを理解しているし、先輩チームたちとは違う視点からこのレースに向けて取り組んできている」
F1では、シャシーは各チームが独自に製造しなくてはならないというルールがあり、そのことが想像以上にコストを膨らませてきたという経緯がある。だが、ハースはF1に参戦するにあたり、フェラーリと手を組んで、ルールで認められる限り最大限の技術支援をフェラーリから受けることにしている。
「独自の技術を持ち、独自にクルマを製造することも重要だが、レースに勝つことも重要だと我々は考えている」
「我々は、レースという観点から、それをとらえているんだ。我々は戦うためにサーキットにいるのだし、それを実現するための最も効率的な方法を探したわけだ」
そう述べたハースは、次のように付け加えた。
「メルセデスAMGやフェラーリと争うつもりだとまで言うつもりはない。だが、十分に戦えるようになるはずだ」