ウィリアムズのベテランドライバーであるフェリペ・マッサが、かつて共に戦ったジュール・ビアンキ(元マルシャ)の死が、現在のF1ドライバーたちの連帯感を強めたと語った。
昨年のF1日本GP決勝で起こった事故がもとで今年7月に25歳の若さでこの世を去ったビアンキ。F1レース中の事故が直接的な原因でドライバーが死亡したのは1994年のアイルトン・セナ以来のことだった。
マッサは、特にビアンキとは親しい関係にあったと言われている。それは、2人がともに現FIA(国際自動車連盟)会長のジャン・トッドの息子であるニコラ・トッドにマネジメントを委託していたためだ。
そのマッサは、ブラジルの『Globo(グローボ)』に次のように語った。
「こういうことが起こると、ドライバーの関係もより近くなるし、絆(きずな)がより強くなるんだ」
「まず、今回ジュールに起こったことはF1全体にとって非常に悲しいことだった。あれは普通のクラッシュではなくて作業車との衝突だった。その結果として多くのことが変わったよ。ヴァーチャルセーフティカーの導入とかね」
「でも、それだけじゃないんだ。ジュールは素晴らしい友人でもあった。僕たちはよく顔を合わせていたし、普通のドライバーとはかなり違う友情が芽生えていたんだ」
ビアンキの葬儀では友人を代表してビアンキの棺を担いでいたマッサは、最後に次のように締めくくった。
「すごく悲しい出来事だったし、F1がドライバーの安全のために今後も努力し続けなければならないということを示すものでもあったよ」