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メルセデスAMG、今後もスタートに不安

2015年07月28日(火)16:51 pm

メルセデスAMGが、レースのスタート時に関する開発問題により、これまで誇っていた圧倒的な強さに陰りが生じ始めるのではないかとの不安を隠していない。

【結果】F1ハンガリーGP決勝の順位、タイム差、周回数、獲得ポイント

■連続してスタートに失敗していたメルセデスAMG

シルバーストンで行われた第9戦イギリスGPでは、スタート時に2列目からスタートしたウィリアムズ勢に追い抜きを許していたメルセデスAMG。シルバーストンではその後のピット戦略や終盤の雨により最終的にはルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグによる1-2フィニッシュを達成していたものの、先週末に行われた第10戦ハンガリーGPでは、同様に1周目にフェラーリ勢に先行を許してしまっていた。

そして、ハンガリーでは、そのままセバスチャン・ベッテルに優勝をさらわれたばかりでなく、2014年の開幕戦から続いていたチームとしての連続表彰台獲得記録もここで途切れてしまうという結末を迎えていた。

メルセデスAMGの非常勤会長であり、現役時代には3度F1チャンピオンに輝いた伝説的元F1ドライバーでもあるニキ・ラウダは、『Bild(ビルト)』に次のように語った。

「我々は勝利から見放されたばかりか、昨年から1年半にわたって誇ってきた優位性も失ってしまった。我々が犯したミスのリストを作ったよ。これからそれを分析し、改善していかないとならない」

そのリストの一番上に記されているのは、レーススタート時の問題だろう。

ビジネス担当エグゼクティブディレクターのトト・ヴォルフも、そのことに対して「非常に心配をしている」と認めている。

ヴォルフは、ハンガリーにおいて1周目にフェラーリに追い抜かれてしまったことが「すべての混乱の引き金」となり、結果としてメルセデスAMGが悲惨とも言えるレースをしてしまうことにつながったと指摘し、次のように付け加えた。

「こういうことは受け入れられるものではないし、どうしてそういうことになってしまったのかよく分析する必要がある」

■メルセデスAMGにとってはさらに逆風が

だが、メルセデスAMGにとってスタート時の不安は次戦F1ベルギーGP(8月23日決勝)に向けてさらに大きくなりそうだ。

というのも、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は、ベルギーGP以降、フォーメーションラップがスタートしてからは、ドライバーに無線を通じてスタートの仕方に関する“指導”を行うことを禁止することにしているためだ。

現在のF1は、かつてに比べると非常に複雑化してきており、これまではスタート時のタイヤの温度やERS(エネルギー回生システム)のチャージ状況など、テレメトリーによって送られてくるさまざまなデータをチームが分析し、その結果、最も効率的なスタートを切ることができるエンジン回転数やクラッチをつなぐタイミングなどをドライバーに伝えることが普通だった。だが、ベルギーからはこれが禁止されることになる。

そしてハミルトンも、これがレースのスタートに大きな影響を及ぼす可能性がありそうだと考えている。

「スタートは予想がつかなくなるし、(メルセデスAMGにとっては)さらに悪くなるだろうと想像しているよ」

そう語ったハミルトンは、次のように付け加えた。

「彼ら(FIA)は、それ(スタートに関する指示)がレースに与える影響について過小評価しているんじゃないかと思うよ。これについては変更されるべきじゃないかな」

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