エンジンサプライヤーとしての現在のF1へのかかわり方に不満を抱いているルノーでは、再びルノーF1というワークスチームを復活させ、そこでルノーの名前を前面に押し出していくことを望んでいると伝えられている。
今週末にF1ハンガリーGP(26日決勝)が開催されるハンガロリンクにおいて、ルノーとロータスとの間で買収契約が結ばれるのではないかとのうわさもある。
だが、少し前には、ルノーが現在エンジンを供給しているトロロッソの買収に動くのではないかともうわさされていた。しかし、トロロッソのチーム代表を務めるフランツ・トストは、今ではその可能性は小さいだろうと語った。
「ルノーが将来に向けてどういう決断をしたのかは知らないんだ」
イタリアの『Omnicorse(オムニコルセ)』にそう語ったトストは、次のように続けている。
「3か月か4か月前、彼らは(イタリアの)ファエンツァのファクトリーを見に来た。そして、その後(イギリスの)ビスターにも赴いて、そこに我々の施設を構えられないかどうかを検討していた」
「しばらくの間交渉が続けられたが、その後、私としてはルノーが本気でトロロッソを買収しようとは考えているのではないという印象を受け始めたよ」
現在、ルノーとレッドブルの間には2016年までのエンジン供給契約が結ばれている。だが、仮にルノーがレッドブルと決別することになれば、レッドブルのジュニアチームであるトロロッソも新たなエンジンサプライヤーを探さなくてはならなくなる。
「あと2、3か月は待つ必要がありそうだね」とトストは続けた。
「まず、我々としては、ルノーがどうしたいのかを知る必要がある」
「彼らが決断を示してくれれば、我々としてもほかのエンジンメーカーと話をする必要があるのかどうかが分かるからね。例えば、フェラーリと我々は数年前には友好な関係を築いていた。だが、現時点ではまだ何も決まっていない」
ともあれ、トロロッソとレッドブルとしては、ルノーにはまず今シーズンのパフォーマンスをすぐにでも高めてもらうことが先決だろう。
ルノーでは、「トークン」を使用してパフォーマンスを改善した新エンジンを夏休み明けのスパ・フランコルシャン(第11戦ベルギーGP/8月23日決勝)に投入してくるようだとのうわさもある。
だが、トストは次のように語った。
「スパで新しいエンジンが使えるとは期待していないよ。だが、どうなるか様子を見よう。改良版エンジンが登場するのは、シーズンももっと終盤に向かうころではないかと考えている」
「望んでいることは、パフォーマンスが改善されることと、ルノーとの間の約束事が守られることだ」とトストは付け加えた。