ウィリアムズは、かつてロータスが直面したのと同じ窮地に立っているとロータスのチーム会長ジェラルド・ロペスが語っている。
ロータスは、2012年と2013年にレッドブルに次ぐ勢力としてフェラーリやメルセデスAMGと渡り合い、優勝も飾った。しかし、2014年は下位に甘んじ、現在はサプライヤーへの支払いが滞って訴えられる事態に陥っている。
ロペスは、中堅チームがトップを目指せば、資金面でリスクを背負うことになり、割に合わないと『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』のミハエル・シュミット記者に次のように語った。
「4番手、5番手に付けているときに、1位を目指してギャンブルすることは、おそらくもう二度としないだろう」
今はウィリアムズがかつてのロータスと同じ窮地に立たされているとロペスは話す。
「今のウィリアムズは、2年前のわれわれと同じ立場にいる。(コンストラクターズ選手権)3位を目指すには、受け入れられないほど大きなリスクを背負うしかない」
順位が上がればスポンサーが増えるはずだ。しかし、2014年に躍進したウィリアムズで2015年に増えたスポンサーは、ユニリーバのブランド「レクソーナ(Rexona)」1つだけだった。また、たとえ今年もウィリアムズがコンストラクターズ3位を獲得したとしても、その分配金だけではとてもコストをまかなえないと記事は伝える。
また、フェラーリのキミ・ライコネンの後任にバルテリ・ボッタス(ウィリアムズ)が移籍するといううわさもあるが、ボッタスと来年も契約するオプションを握っているウィリアムズが、ボッタスを譲る代わりに2000万ユーロ(約27億円)という大金をフェラーリに要求しているのも、こうした事情によるものだとシュミット記者は説明している。
ロペスは、小規模チームがこうした状況に追い込まれるF1の仕組みを批判している。
「F1での成功は報われない。なぜなら、スポンサーも見付けられなければ、収益の分配も不公平だからだ」