ダニール・クビアトがレッドブル内での信頼を取り戻したようだ。
昨年トロロッソから19歳でF1デビューしたクビアトは、セバスチャン・ベッテルのフェラーリ移籍に伴い、わずか1年でトップチームのレッドブルへと昇格していた。今シーズン序盤は、搭載するルノーエンジンの信頼性やパフォーマンス不足の問題もあり、苦戦を強いられていた。
一方で、今年トロロッソからデビューを飾ったマックス・フェルスタッペンやカルロス・サインツが期待以上の活躍を見せる中、来季はクビアトがこの2人のいずれかにシートを奪われることになるのではないかともささやかれていた。
だが、4月末に21歳となったクビアトは、シーズンが中盤に向かうにつれて復調。直近の5レースにおける予選では、昨年ベッテルを圧倒したチームメートのダニエル・リカルドに4勝1敗という成績を残している。
シーズン序盤はクビアトに対して辛口のコメントを行うことが多かったヘルムート・マルコ(レッドブル/ドライバー育成責任者)も、前戦F1イギリスGPが開催されたシルバーストンではクビアトの復活をよろこぶ発言を行っていた。
そして、最近レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーも、クビアトには満足しているとフランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』に次のように語った。
「ダニー(クビアト)は、シルバーストンでセバスチャン・ベッテルに対して見事な追い抜きを仕掛けたし、レースでは素晴らしいペースを示していた。スピンを喫したのは残念だったし、それがなければ表彰台だって狙えていただろう」
クビアトはレッドブルにとって期待通りの働きをしているかと質問されたホーナーは、「ああ、間違いないよ」と答え、次のように続けた。
「最近の3レースか4レースで彼は自分の実力を示し始めている。モナコ、カナダ、オーストリア、そしてシルバーストンでも速かったし、さっきも言ったようにシルバーストンでは表彰台争いのチャンスだってあった」
一方、ホーナーは、最近フェラーリへの移籍がうわさされているリカルドについて次のように語った。
「ほかのチームが興味を抱いているということはダニエルにとってはうれしいことだろう。だが、我々はどちらも彼の契約条件については分かっている」
「彼がチームにとどまるのは100%確実だよ」とホーナーは付け加えた。