ザウバーから今年F1デビューを飾ったフェリペ・ナッセが、2016年にはほかのチームへ移籍するかもしれないとのうわさを否定した。
今季、デビューイヤーにもかかわらず、目覚ましい活躍を見せているナッセ。昨年は1ポイントも取ることができなかったザウバーですでに16ポイントを獲得。昨年までケータハムに所属していたチームメートのマーカス・エリクソンを11ポイントも上回る成績を残している。
しかも、ナッセにはブラジル銀行という潤沢な資金を持つスポンサーもついていることを考えれば、ほかのチームがナッセに目をつけるのも当然かもしれない。
予算不足に苦しむザウバーでは、シーズン中に積極的な開発を進めることができず、ここ数戦ではなかなかポイントに手が届かない状況が続いている。ナッセもそうしたチームの状況に不満を募らせているのは確かだろう。
だが、ナッセは母国ブラジルの『UOL Esporte(ウニヴェルソ・オンライン・エスポルチ)』に次のように語った。
「この状況を改善するために、できる限りチームを助けていきたいと思っている」
「シーズン中には多くのレースでポイントを狙えるだけの素晴らしい潜在能力を秘めていると思うんだ。僕は間違いなくここ(ザウバー)にいるし、今年のこと、そしてこのチームで迎える将来のことを考えているよ」
そう語ったナッセだが、将来に向けてほかの選択肢について全く考えないという意味ではないようだ。
例えば、現在、来季はキミ・ライコネンに代わってバルテリ・ボッタス(ウィリアムズ)、あるいはニコ・ヒュルケンベルグ(フォース・インディア)がフェラーリのシートを獲得するかもしれないとうわさされている。もしそうなれば、ウィリアムズやフォース・インディアのシートが空くことになる。特に、昨年まで控えドライバーを務めていたウィリアムズの正ドライバーに迎え入れられるチャンスがあれば、ナッセとしてもそれを袖にしてまでザウバーに残る選択はしないだろう。
「僕に関しては、まだ何も聞いていないんだ。もちろん、常にうわさはあるけれどね」
そう語ったナッセは次のように続けた。
「でも僕はザウバーでやりたいと思っているし、2016年にはもっとクルマを改善する計画もあるんだ。多くの取り組みがなされているし、新しい技術責任者も来たしね」
ナッセが言及した新たな技術責任者とは、7月にチームに加入したマーク・スミスのことだ。スミスは、かつてレッドブル、フォース・インディア、ケータハムなどで活躍していたベテランエンジニアだ。