ジュール・ビアンキの父親が、もはやビアンキが回復する見込みはないようだと認める発言を行った。
鈴鹿サーキットで行われた昨年の日本GP決勝で大クラッシュを起こしたビアンキだが、以来9か月以上にわたってこん睡状態が続いている。
ビアンキの父親であるフィリップ・ビアンキは、13日(月)にフランスのラジオ局『France Info(フランス・アンフォ)』に次のように語った。
「一般的に、最初の6か月のうちに何らかの進展があることが必要なんだ」
「もうすでに9か月が経過したが、ジュールはいまだに目を覚まさないし、特段の進展も見られない」
「時間が経過するにつれ、事故後2か月か3か月のころよりは悲観的な見方をせざるをえなくなっている。あのころはいい結果が訪れるかもしれないとの望みを抱いていたがね」
5月には、フィリップは、家族の間ではジュールがいつか死を迎える可能性があることを受け入れる必要もあると考え始めていることを明かしていた。
「自分の息子がこれからも生き続けるのかどうか分からないと考えながら朝を迎えるのはつらいものだよ。毎日がそういう状態なんだ」
そう語ったフィリップは、2013年末のスキー事故でこん睡状態に陥った伝説的元F1ドライバーであるミハエル・シューマッハのことを息子と話したことがあると明かし、次のように続けた。
「彼(ジュール)は私たちに言ったよ。いつかミハエル・シューマッハのような事故に遭ったとしたら、仮に唯一のハンディキャップがもう運転することができないということだけだったとしても、それを受け入れるのはすごく困難だろうとね。つまり、それ(レース)は彼の人生そのものだったんだ」