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ヴォルフの失言で「ダミーピット」取り締まりが強化

2015年07月10日(金)19:10 pm

F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)が、今後、あたかもピットストップを行うかのように見せて相手を幻惑しようとする行為(ダミーピット)を厳しく取り締まることになるようだ。

【結果】F1イギリスGP決勝の順位、タイム差、周回数、獲得ポイント

先週末のF1イギリスGP(第9戦)決勝ではウィリアムズとメルセデスAMGが勝利をかけた戦いを繰り広げていた。そして、メルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフは、ウィリアムズのレース戦略を変えさせようと、レース中にダミーピットをしかけたことを認めている。

メルセデスAMGのメカニックたちは決勝レース中に、ピットレーンへ集まり、いかにもすぐに自分たちのドライバーがピットに入ってくると見せかけるための「ニセの動き」を行っていた。

そのヴォルフの妻であり、ウィリアムズのテストドライバーを務めるスージー・ヴォルフは、イギリスGPの決勝のさなかに、夫に対して「あなたたち、私たちをだませると思っているの?」とメールを送っていたという。

ヴォルフはこれについて、「ちょっとしたゲームだったんだが、うまくいかなかったよ。少なくともエンターテインメントにはなっていたんじゃないかな」とレース後に語っていた。

だが、現在の競技規則には「チームメンバーは、クルマへの作業が必要となる直前に限り、ピットレーンへ出ることが許される」と明記されている。つまり、実際にはピットインしないにもかかわらずピットレーンに出てピット作業準備のようなまねを行うことはルールに抵触することになる。

ウィリアムズの技術責任者であるパット・シモンズも「もし、本当の(ピットインの)指示が出されていないのにピットレーンに出てくるのはルール違反だと思う」と指摘していた。

しかし実際には、これまでにもこうした行為がF1レースで見られることはあった。だが、これまではたとえ他チームをあざむこうとダミーピットを行ったとしても、本当にピットインさせるつもりだったのだが何らかの事情により急きょ取りやめたのだと説明することでルール違反と認定されることを免れていたというのが現実のようだ。

そして今週、FIAのF1競技委員長であるチャーリー・ホワイティングはメディアに対し、ヴォルフがあれは策略だったと認めたことで「自ら墓穴を掘ってしまった」と語ったと報じられている。

ホワイティングは、次戦F1ハンガリーGP(第10戦/26日決勝)に先立ち、今後こうしたことは認められなくなると全チームに対して厳格な警告を行うことになるようだ。

ホワイティングは、次のように語った。

「私は、彼らに対してチャンスを与えるつもりはないし、ハンガリーではすべてのチームに対してこのことを伝えるつもりだ。そして、(今後同様のことがあれば)本当にピットストップを行うつもりであったという証拠を示すように求めることになると警告を行うよ」

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