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ジェンソン・バトン、来季のシートは不透明

2015年07月08日(水)17:03 pm

今週、イギリスの放送局『Sky(スカイ)』が、マクラーレン・グループ総帥であるロン・デニスが、「ジェンソン・バトンが2016年もマクラーレンに残留することになるだろう」と主張していると報じた。

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その報道によれば、デニスは先週末F1イギリスGP(第9戦)が開催されたシルバーストンにおいて次のように語ったとされている。

「ジェンソン・バトンはマクラーレンと2年間の契約を結んでいる」

「現時点ではドライバーに関することなど考えてもいないよ」

だが、2人のイギリス人ジャーナリストが、バトンが本当に来シーズンもマクラーレン・ホンダのステアリングを握ることになるかどうかは疑わしいとしている。

■バトンの契約は1年+1年オプション

『Telegraph(テレグラフ)』の記者であるダニエル・ジョンソンは、実際のところ35歳となるバトンの将来は、昨シーズン末に比べてもかなり雲行きがあやしくなってきていると主張。

ジョンソンによれば、バトンの契約は2年間のシートが保障されたものではなく、実際には1年のオプションが付いた1年契約なのだという。つまり、もう1年契約を延長するかどうかはマクラーレン側に選択権があるため、実際にバトンが2016年にもチームに残留できるかどうかは分からない状態だというわけだ。

イギリスの放送局『BBC』のF1主任記者のアンドリュー・ベンソンも同様のコメントを行っている。

「ひとつはっきりさせておこう。ジェンソン・バトンにはマクラーレンでの2016年のシートが保障されているわけではない」

そう述べたベンソンは、デニスのコメントは「事実上は正確だが、紛らわしいものだ」と指摘。

『Telegraph(テレグラフ)』のジョンソン記者も「デニスはこれまでもコミュニケーションの取り方が上手だったとは言えない。最近彼が行ったジェンソン・バトンの今後に関するコメントも、その一例にしか過ぎない」と付け加えている。

事実、マクラーレンの事実上のチーム代表であるエリック・ブーリエ(レーシングディレクター)は、シルバーストンで次のように語っていた。

「これから9月にかけて、何らかの決定をしなくてはならないだろうね。我々は早急な状況改善ができていないだろうし、彼ら(ドライバー)も失望するかもしれず、そうすれば出て行きたいと思うかもしれない。それは私にはどうしようもないことだ」

■資金面もマクラーレンにとって重要課題に

マクラーレンにとって、もうひとつ重要な要素となるのが資金面の問題かもしれない。

ブーリエは、スペインの『El Confidencial(コンフィデンシアル)』に次のように語った。

「ここまでのところ、今後数年については順調な見通しを持っている。だが、このまま結果が得られなければ、それが収入面での痛手につながるだろう。我々としてもそれを補う手段を模索していかなくてはならない」

2013年シーズン限りで、それまでタイトルスポンサーを務めていたボーダフォンと決別したマクラーレンだが、それ以降タイトルスポンサー不在の状態が続いている。現在の状況ではF1から十分な賞金を受け取ることも難しく、予算面ではかなり厳しい状態を迎えているのは間違いない。

マクラーレンでは、バトンに対し約1,000万ドル(約12億2,000万円)の年俸を支払っていると考えられている。仮に、現在22歳のケビン・マグヌッセン(控えドライバー)、あるいは23歳のストッフェル・ファンドールネ(テストドライバー)といった若手ドライバーを起用すれば、チームとしてもかなりの額を節約することができるはずだ。

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