2日(木)、シルバーストンのパドックに姿を現したフェルナンド・アロンソ(マクラーレン・ホンダ)は手に包帯を巻いていた。
といっても、2週間前のF1第8戦オーストリアGP決勝でキミ・ライコネン(フェラーリ)と絡んで大クラッシュを演じた際のケガではないとアロンソ。
「自転車でトレーニング中にコケたんだ」とF1第9戦イギリスGPに先立ってスペインの報道陣に囲まれたアロンソは白状した。彼は熱狂的なサイクリストとして知られる。「でも平気だよ」
友人たちとともにアルプスの山中でマウンテンバイクに乗車中、下り坂で転倒したという。
「包帯をしているのは化膿予防さ。ただのかすり傷だ」
ライコネンとのクラッシュで重傷だったのは、むしろ彼のマシンに搭載したホンダ・エンジンの方だ。新井康久F1プロジェクトリーダーの口ぶりからは、再びエンジン交換が必要なほどのダメージだったことがうかがえる。
しかし、オーストリアGPに続くペナルティは避けられそうだ。
「FIA(国際自動車連盟)とチーム(マクラーレン)の話し合いで常識的な妥協点が見つかったらしいじゃないか」と話すアロンソ。F1戦略グループは2015年、マクラーレンの両選手(アロンソとジェンソン・バトン)にパワーユニット1機を追加で与えることにした。彼はその決定に言及したものと思われる。
だが二人ともシルバーストンでは「虎の子」の新ユニットを使わず、逆に「使い古しエンジン」に戻した。ペナルティも与えられない。
オーストリアGPではアロンソ一人が使用した新「短小ノーズ」のパッケージだが、今回はバトンのマシンにも組み込まれている。これで二人ともシャシーは最新仕様だ。
だがマクラーレンは、シルバーストンでの一戦を迎えるにあたって、より軽めのモノコックを1台だけ用意。あらかじめ決めた順番に従って、今回はバトンが最初に使っている。
新パッケージでイギリスGPの結果はどうなるか、アロンソは次のように語った。「12位か17位、あるいは8位になろうが、そんなことは関係なく今週末は、僕らにとってとても重要なのだ」