フェラーリのセバスチャン・ベッテルが、来季も友人であるキミ・ライコネンが自分のチームメートであって欲しいと語った。
2014年にロータスから古巣フェラーリへと移籍したライコネンだったが、その年はチームメートのフェルナンド・アロンソに大きく差をつけられてしまっていた。今季新たなチームメートとなったベッテルが好成績を残す一方、ライコネンのほうはいまだにかつての調子を取り戻すことができていない。
■いろんなドライバーと話をしているとフェラーリのボス
現在の契約が今シーズン限りとなっているライコネンが来季もフェラーリに残留できる可能性は低くなったと見る者が多く、早くも後任候補として何人かのドライバーの名前がうわさに上っている。
その中にはバルテリ・ボッタス(ウィリアムズ)を始め、レッドブルで昨年4年連続F1チャンピオンのベッテルをしのぐ成績を残したダニエル・リカルドの名前もある。だが、フェラーリのマウリツィオ・アリバベーネはリカルドのフェラーリ入りはないだろうと『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に次のように語った。
「多分、彼は私の電話番号は知らないと思うよ」
「もし私が今シーズン開始以降に私が電話で話したドライバーたちのリストを見せたとすれば、ボッタス(ウィリアムズ)も大勢の中のひとりにしか過ぎないということが分かるはずだよ」
■ライコネン残留はあくまでも結果次第
アリバベーネは、現時点ではフェラーリの2つのシートはいずれも「埋まっている」と主張している。だが、アリバベーネ自身も、さらにはフェラーリ会長であるセルジオ・マルキオンネも、ライコネンが一定の成績を示さない限り、契約を無条件で延長できるオプションを行使するつもりがないことはよく知られている。
「ライコネンの運命は彼の手の中にあるんだ」とアリバベーネ。「彼は自分自身がフェラーリにふさわしいドライバーであることを示さなくてはならない。レースごとに稼がなくてはならないものがあるんだからね」
35歳となるライコネンにとっては、今後のF1キャリアに向けて重要な局面を迎えている状態だ。だが、第7戦カナダGPでも、続く第8戦オーストリアGPにおいても、ライコネンは自らのミスでチャンスを逃していた。
「彼が称賛に値することをやったときには、私は彼をほめた」とアリバベーネは続けた。
「そして、彼をしかる必要があるときには、同じようにそうしてきたよ」
■ライコネンはすぐに調子を取り戻すとベッテル
だが、チームメートのベッテルはライコネンを擁護する立場に立っている。
「キミはすぐに、以前のような調子を取り戻すはずだよ」
イタリアのテレビ局『Sky(スカイ)』にそう語ったベッテルは、次のように続けた。
「彼は浮き沈みの多いシーズンを過ごしている。だけど、彼には自分の仕事を完ぺきにこなす才能があるんだ」
「確かに、今年彼は小さなミスをいくつか犯した。だけど、いくつかの局面においては彼が不運に見舞われたのも事実だ。そうした状況を踏まえて公平に判断されるべきだと思うよ」
■最終判断をするのはフェラーリ
「もちろん、僕は彼と一緒に続けたい。僕たちはすごくいい関係にあるし、お互いに刺激し合えているからね。だけど、決めるのは僕ではないし、くわしいことは知らないんだ」
そう語ったベッテルは次のように付け加えた。
「確かなことは、フェラーリでは今後に向けて正しい評価を行うだろうということだ」