メルセデスAMGチーム代表のトト・ヴォルフは、F1のすべてが悪いと批判する風潮に疑問を投げかけている。『Speedweek(スピードウィーク)』が伝えた。
過去の伝説的なドライバー、例えばアイルトン・セナやナイジェル・マンセル、ゲルハルト・ベルガーに比べれば、現代のF1ドライバーは足下にも及ばないと言う者もいる。
43歳のヴォルフは、自分の思い出を語った。
「若い頃は私も1ファンだった」
「パドックを歩いていてラフィットさん(70~80年代のF1ドライバー、ジャック・ラフィット)とすれ違った時はゾクゾクしたよ」
「そういうものが変わったのは、ドライバーが若くなったせいなのか、それとも、現代人が強い刺激を浴びすぎているせいなのか。それはなんとも言えないところだ」
「だが、今もF1には個性的なドライバーがいると私は思う」
■F1のすべてを批判する風潮
ヴォルフは、現代のドライバーは、何かをすると批判され、何かをしなくてもやはり批判されると話す。
「例えばルイス・ハミルトンは、サーキットに犬を連れてきたとか、音楽に関心があるとか、何かしらで批判される」
「逆にセバスチャン・ベッテルは、私生活を明かさないせいで面白くないといって批判される。どうやら何をやっても否定されるようだ」
こうしたことはF1自体にも当てはまるとして、ル・マン24時間レースとの比較でヴォルフはこう話している。
「不思議なことに、ル・マンと退屈なハイブリッドエンジンを結び付ける者はいない。芝刈り機のような音だとか、優勝争いをしているのが2メーカーに限られているとかいった事実に触れる者もいない」
「F1の問題点とされている点でル・マンが批判されることはない。それはなぜか。F1が下降線をたどっているから、すべてが悪いと誇張されているんだ」