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早急なF1改革に高まるムード

2015年06月23日(火)7:10 am

一刻も早く規則を変えなければ。そんな深刻ムードがF1のパドックに今、どんどん充満している。

マクラーレンのスポーティング・ディレクター、エリック・ブーリエはスペイン『Marca(マルカ)』紙に、さし迫った危機を次のようにまとめる。「ドライバーたちは不満を抱えている。それは世間に知れ渡り、やがて彼ら(テレビ視聴者)はF1を去っていくんだ」

なかでも騒がしいのはレッドブルである。彼らはチームのおひざ元で行われた先週末のF1第8戦オーストリアGPで終始、F1は奈落の底に向けて真っ逆さまだと主張していた。

「バーニー・エクレストンはジャン・トッド(FIA(国際自動車連盟)会長)に声をかけて何かをすべきだ」とドイツ『DPA通信』に話すのは、チーム代表クリスチャン・ホーナー。

「しかもなるべく早く。このままでは時間切れだ」

F1に問題があるのはとっくに誰もが分かっている。2017年には規則を大きく変更すべきだとして、話し合いが進行中だ。

「問題は認識している」とドイツ『Frankfurter Allgemeine Zeitung(フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング)』紙に話すのは、フェラーリのマウリツィオ・アリバベーネだ。「だが、それだけではない。これ以上、時間の浪費は許されない」

確かに規則改定の作業を急ぐ動きはある。それも2017年ではなく、2016年に規則を大きく書き換えようというのだ。

「マシン変更はなるべく早くしてほしい」とレッドブルのヘルムート・マルコ博士。「みんなが望むなら、2016年がいい」

F1 CEOのエクレストンも、その気になっている。

「悠長に待っていられない」とドイツ『Salzburger Nachrichten(ザルツブルガー・ナッハリヒテン)』紙に話す84歳のエクレストン。彼によると最大の問題は複雑な「パワーユニット」だ。

「もっと簡単な構造にしなければ」

今までF1は、音が静かで高価なV6ターボの廃止を拒んできた。もしパワーユニットを葬ったら、抗議の印としてメルセデス・ベンツはF1を撤退すると言われる。

「彼ら(エンジン製造会社)がその気なら、ほんとうに止めるだろう」とエクレストン。

レッドブルのチームオーナー、ディートリッヒ・マテシッツにも同じことが言える。彼は今また、F1撤退をチラつかせている。

「彼(マテシッツ)は誰にも相談も必要としない立場の人間だからな」

「彼の不満は理解できる。もし彼が運営側にいれば、さっさと動くはずだ」

ホンダもまた現行ルールに足を引っ張られている。ルノーのトラブルは言わずもがなだ。

しかしエクレストンは、次のように言う。「誰もF1は止めない。私には自信がある」

だとしてもレッドブルのホーナーは、現在のF1運営方法は明らかに機能していないとの考えだ。

「おそらく、われわれに必要なのは外部の専門家だ。F1世界選手権に関わりのない誰かだよ。はっきりとは言えないが、たとえばロス・ブラウン(前メルセデスAMGチーム代表)のような人間だ。彼ならF1のビジネス面も複雑なところも理解している」

「F1の、ルノーやホンダといった企業に対する扱いは何だ。今日(6/21)はホンダの新社長(八郷隆弘氏)が視察に訪れていたが、決して愉快な気持ちではなかったと思う」

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