世界的エナジー飲料メーカーであるレッドブルの総帥であり、2010年から2013年まで4年連続F1チャンピオンチームとなったレッドブル・レーシングのオーナーでもあるディートリッヒ・マテシッツは、普段あまり表舞台に立つことはない人物だ。
だが、そのマテシッツがF1のあり方を大きく変えてしまうかもしれないといううわさがささやかれている。
先週末、レッドブルが所有するレッドブルリンクで行われたF1オーストリアGPのパドックに姿を見せたマテシッツは、21日(日)にF1最高責任者であるバーニー・エクレストンと話し合いの機会を設けていたと報じられている。
『Osterreich(エステルライヒ)』によれば、その会合は「カメラマンもジャーナリストにも非公開で、彼らのスタッフでさえ話し声が聞き取れない位置に置かれていた」という。
『Osterreich(エステルライヒ)』は、今回の会談の主要な目的は、最近うわさに上っているレッドブルのF1撤退に関することではなく、やはりかねてよりうわさに上っていたF1商業権の買収に関することではないかとの推測を行っている。
元F1ドライバーであり、現在もF1ドライバーによる任意組織GPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)の会長を務めるアレックス・ブルツは、そうしたシナリオが展開される可能性はかなり高いと考えている。
「問題は、F1のマーケティングに関することだけが話し合われているのか、あるいはF1そのものを買収するために必要な数十億ユーロ(数千億円)という金額についての話なのかということだ」
「マテシッツにそれだけの金額を払う用意があるのかどうかは、私には分からない」
そう語ったブルツだが、「テーブルの上に金を積み上げた者がルールを作ることもできる」のは確かだと付け加えた。