マクラーレン・ホンダには、先週末に開催されたF1オーストリアGP(第8戦)でも信頼性の問題が多発したマクラーレン・ホンダ。結局、決勝レースは前戦カナダGPに続いて2台ともリタイアで終えることになった。
【結果】F1オーストリアGP決勝の順位、タイム差、周回数、獲得ポイント
しかもオーストリアには、ホンダの新社長である八郷隆弘氏が視察に訪れていた。その目の前で悲惨とも言える光景が繰り広げられたことは、ホンダF1プロジェクト従事者にとってはさらに悔しさが募るものであったことは想像に難くない。
だが、そうした状況に陥りながらも、フェルナンド・アロンソはマクラーレン・ホンダの「危機は去った」と主張している。
オーストリアでは使用許容範囲を超えるエンジンコンポーネントの投入などにより、アロンソとチームメートのジェンソン・バトンには合計で50グリッドに及ぶ降格処分が科されていた。
マクラーレンのレーシングディレクターであるエリック・ブーリエが自嘲(じちょう)気味に「うちのチームはオーストリアではなくインドにでもいるようだ」と語ったことが報じられるなど、メディアでもこの件が大きく扱われていた。
そして、アロンソの母国スペインのメディアは、アロンソの悲劇はシルバーストンで行われる次戦イギリスGP(7月5日決勝)にも継続されることになるだろうと報じている。
アロンソがオーストリアGP決勝でキミ・ライコネン(フェラーリ)とクラッシュしてコース脇のバリアに突っ込んだ際には44Gもの衝撃を受けていたことや、それによってダメージを受けたホンダエンジンも再び交換を余儀なくされるだろうという見方によるものだ。
そのアロンソは、今週の23日(火)と24日(水)にレッドブルリンクで開催される公式シーズン中テストに参加するためにオーストリアにとどまっている。オーストリアGP決勝で新しいショートノーズが破壊されてしまったものの、アロンソはテストでも新しいボディーワークを使うことが可能だと主張。「スペアがあるんだ」と明かしている。
アロンソはオーストリアにおいて、スペイン人記者たちに次のように語ったと報じられている。
「僕たちのようなチームへの期待は常に高いものだし、マクラーレンとホンダが協業しているのだからなおのことだ。だけど、チームワークを通じてすべて解決できるはずだよ」
「これまで僕たちが歩んできた道は間違っていなかったし、これからどういうことが起きるのかも分かっている。そしてこうした状況がすぐに変わるのは確かだよ」
「それがあと2レース後なのか、6レースあるいは8レース後になるのかは分からない。だけど、それ以上かかることはないよ」
「危機は去ったんだ」
そう語ったアロンソは、次のように付け加えた。
「僕たちは正しい方向性を見いだしたし、クルマのさまざまな部分が整備されてきた。外部から見ればよくは見えないだろうけど、僕たちがレースを楽しむことができるようになるまで、それほど長い時間は必要としないよ」