F1第8戦オーストリアGPに合わせて南部の都市グラーツで20日(土)、F1をテーマにしたイベントが開かれたところ、3人が死亡、数十人が負傷する事態に発展した。
グラーツはレッドブルリンクからクルマで東に約1時間の距離にあり、首都ウィーンに次ぐオーストリア第二の町。この日、広場に集まった多くのF1ファンをめがけて自動車が猛スピードで突っ込み、幼児を含む3人が死亡、少なくとも34人が負傷した。そのうち10人は重傷だ。
「このような事態に直面すると、F1なんて世界の小さな出来ごとに過ぎない」と話すのは、オーストリアが母国のメルセデスAMG CEOトト・ヴォルフだ。
オーストリアGPはレッドブルが主催者だ。同チーム首脳のヘルムート・マルコ博士はレッドブルリンクで、オーストリア『Kleine Zeitung(クライネ・ツァイトゥング)』紙に次のように語った。「オーストリア全土に暗い影を落とす出来ごとだ。しかし、F1とは何の関わりもない」
事故は、精神疾患を持つ人物が意図的に引き起こしたものと見られる。
「このようなことはアメリカで発生するものとばかり思われている」と話すのは、レッドブルリンクの保安主任だ。「しかし残念ながら、どこでも起こり得るのだ」
F1第8戦オーストリアGP決勝は21日(日)、予定通り行われる。
広報では、「現時点でオーストリアGPのプログラムに変更は予定していない」と話している。「20日(土)に犠牲となった方々のご家族やご友人の心痛をお察し申し上げる」