フランスのタイヤメーカーであるミシュランが、2017年からのF1復帰を目指して正式に入札への参加申請を行った。
2011年以降は、ピレリが単独F1公式タイヤサプライヤーとなっており、現在の契約は2016年までとなっている。そして、統括団体であるFIA(国際自動車連盟)では2017年からの3年間について、新たな入札手続きを開始していた。
その入札に参加するための申請締め切りは17日(水)とされていたが、ピレリのマルコ・トロンケッティ・プロベラ会長はピレリとしてその入札に参加することを明らかにしていた。
その際、ミシュランがF1復帰に興味を示していることに関して質問を受けたプロベラは、「17日になれば誰が申請を行ったか分かるだろう」と語っていた。
そして、ミシュランは公式ツイッターを通じて「我々はFIAにF1への提案を提出した。もちろんそれは18インチで、ドライバーに歓迎されるであろう“最高の走り”を目指すためのタイヤだ」との発表を行った。
ミシュランのモータースポーツ責任者であるパスカル・クアスノンも、イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に対し、「そう、我々は手続きに入った」とこれを認めている。
だが、そのミシュランの申請は失敗に終わるのではないかとの見方も多い。
最近、F1最高責任者のバーニー・エクレストンは、現在のサプライヤーであるピレリを支援すると示唆していた。エクレストンとしては、ミシュランが「岩のように硬いタイヤ」を製造するつもりだろうと考えており、そうなるとショーとしては面白みに欠けるものになってしまうだろうと見ているためだ。
クアスノンは、5月に、ミシュランがF1復帰するとすれば、それはタイヤが「ショーとしての見せ場を作るための道具ではなく、技術的に発展することを目指す場合に限られる」と発言していた。
エクレストンはさらに、ミシュランが提唱する18インチホイールを装着すれば、F1カーの見た目も「ぶざまなもの」になると思うと語っていた。
最近、カナダで行われたF1主要チームによる会合では、現在の13インチホイールより大径のものを導入するという案については、これを撤廃することで合意したものと見られている。
メルセデスAMGの技術部門エグゼクティブディレクターであるパディ・ロウは次のように語った。
「グリップという観点から見れば、それ(18インチ)がよくないことは明らかだ」
「そういうタイヤは、グリップは低くなる半面、重さは増すことになる。だから、我々としては13インチホイールを継続することを求めていくことになると思うよ」
今回の入札手続きにおける次のステップは、技術的および安全面に関してFIAによる評価が行われることになる。そして、その後でエクレストンとの商業的な交渉がスタートすることになる。
「供給を希望する者に対し、まずFIAがその技術力を評価する段階がある。その次に、重要な評価段階を迎えることになる。そこではプロモーターとともに商業的な観点からの検討が行われる」
そう語ったピレリのモータースポーツ責任者ポール・ヘンベリーは、次のように付け加えた。
「予定表が設けられるし、今年の終わりまでには(結果が)分かるだろう」