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「今のF1カーは運転が簡単になった」とウィリアムズの技術責任者

2015年06月17日(水)11:18 am

ウィリアムズのチーフテクニカルオフィサーを務めるベテランF1エンジニアのパット・シモンズが、現在のF1カーは以前よりも運転が簡単になっていると認めた。

1970年代後半から自動車レースの世界に足を踏み入れたシモンズは、アイルトン・セナ、ミハエル・シューマッハ、フェルナンド・アロンソといった偉大なF1チャンピオンたちと共にレースを戦ってきた経験を持っている。

現在は次期F1チャンピオン候補筆頭だと目されるバルテリ・ボッタスとともにウィリアムズで活躍するシモンズだが、今のF1カーはかつてよりも運転が簡単になっていると認めている。

「確かに現在のクルマは以前よりも運転が簡単になったと思っているよ。それにはいくつかの理由があるんだ」

『UOL(ウニヴェルソ・オンライン)』にそう語ったシモンズは、例えば、今日のF1カーとかつてのグラウンド・エフェクト(シャシー底部を利用してダウンフォースを発生させるクルマ。現在はルールにより一定の制約が課されている)が導入されていた時期のF1カーを比較することは不可能だと主張している。

1980年代のF1カーは「野獣」のようだったと語ったシモンズは次のように続けた。

「私はターボ時代も経験している。あのころはパワーを発揮させるためにボタンを押し続けているようなものだった。スロットルを踏み込んでも、突然パワーが解き放たれるまでは何も起こらなかったんだ」

「あの時代のクルマは難しかったよ。そしてアイルトン・セナはそういうクルマの扱い方を熟知していた」

シモンズは、F1におけるエンジニアの役割が進化したことにより、ドライビングの難しさがだんだん減ってきたと考えている。

「どういうことが起こっているかと言えば、エンジニアの能力が上がり、さらに効率的なクルマを造ることができるようになったことで、F1カーの運転が簡単になってきているんだ」

「例えば、昔はドライバーがギアの選択を間違えたことでリタイアするというようなことも多かっただろう? 今ではもうそんなことは起こらないんだ」

昔と変わったのはそればかりではない。シモンズは、実際のクルマの開発に対するドライバーの関与も以前よりだいぶ少なくなってきていると次のように続けた。

「それは確かだ。今ではドライバーがクルマの開発にかかわることは少なくなっている。それはエンジニアリングがかなり高度なものとなっているからだ」

「今は、我々(エンジニア)がほとんどのことをコントロールできてしまう。だが、まだ我々が入り込めない部分も残されているんだ。それは、最終的な人間と機械の相互関係という部分だ。そして、そのためにドライバーがいるわけだ」

そう語ったシモンズは、次のように付け加えた。

「ドライバーたちが、我々(エンジニア)からすればあまり意味のないと思われる設定のほうが好ましいと伝えてくることがよくある。そういうときはそれを尊重すべきなんだよ」

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