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レッドブル、次戦オーストリアGPでエンジン交換ペナルティー

2015年06月12日(金)16:47 pm

来週末に開催されるF1オーストリアGP(21日決勝)では、レッドブルがグリッド最後尾からスタートすることになる可能性が高そうだ。

今年のルールでは、ドライバー1人あたりにつき年間に使用できるパワーユニット(エンジンとERSなどによるコンポーネントの総称)は4基までとなっており、これをオーバーしてしまうと、少なくとも10グリッドの降格ペナルティーが科されることになる。

今シーズン序盤に立て続けに信頼性の問題に襲われたルノーエンジンだが、レッドブルではすでに4基目のエンジンを使っており、いずれ近いうちにグリッド降格ペナルティーを受けることになるのはほぼ確実な状況だった。

もしグリッド降格処分で受けるダメージを最小限に食い止めたいと思うのであれば、前戦カナダGPが行われたモントリオールのジル・ビルヌーブ・サーキットのほうが好ましいのではないかとの考えもあった。長いストレートがあるモントリオールはルノーエンジンを搭載するレッドブルにとっては厳しいサーキットではある。だが、追い抜きのチャンスもあるサーキトだけに、後方からの追い上げも期待できたからだ。

しかし、レッドブルは、ホームレースとなるオーストリアのレッドブルリンクでペナルティーを受けるほうが、ダニエル・リカルドやダニール・クビアトにとっては戦略的に有利だと判断したようだ。

カナダでは、レッドブルのレース中のペースはトップグループに対して明らかに劣っていた。レッドブルでは、その原因はやはりルノーエンジンのパフォーマンス不足によるものだと指摘している。

レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語った。

「エンジンに関しては、昨年よりもひどい状況に置かれているよ」

「GPSによるストレートでの(スピード)比較結果は恐ろしいほどのものだ」

実際のところ、カナダGPではほかの有力チームたちはすべて昨年よりも今年のほうがタイムがよくなっていた。だが、レッドブルは逆に、1周あたりコンマ5秒ほど昨年よりもタイムを落ちていたのだ。

こうしたことを考えれば、今シーズンの残りのレースでレッドブルにとって期待が持てるのは、まずは第10戦のハンガリーGP(7月26日決勝)ということになりそうだ。きついコーナーと曲がりくねったレイアウトのサーキットは、レッドブルが今季最高の成績を収めたモナコの市街地コースと似ているからだ。

「(ハンガリーが)1年のうちでも我々が一番力を示せるサーキットだろうね」

そう語ったレッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、「だから、可能な限り上位からレースをスタートすることが重要になってくる」と付け加えた。

それゆえ、来週末の第8戦オーストリアGPでエンジン交換を行い、信頼性に関する不安などをその次の第9戦イギリスGPを通じてぬぐい去り、万全の体制で第10戦となるハンガリーGPに向かうという「戦略」を取ることが、レッドブルにとっては「最善」だというわけだ。

「我々は(オーストリアでは)グリッドの最後列からのスタートを余儀なくされると考えておかないとならないだろうね」

そう語ったホーナーだが、仮にリカルドとクビアトが予選でトップ10に残ることができなければ、最後尾に下がったとしてもグリッド降格分をフルに消化することができなくなる。そうなれば、さらにレース中のピットストップペナルティーも加えられる可能性がある。

いずれにしても、レッドブルにとっては非常に厳しい形でホームレースを迎えることは間違いないだろう。

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