フェラーリのキミ・ライコネンが、今シーズンに少なくとも一度は表彰台の中央に立ちたいと考えていると語った。
【結果】F1カナダGP決勝の順位、タイム差、周回数、獲得ポイント
今季、予選でチームメートのセバスチャン・ベッテルに後れをとることが多かったライコネンだが、第6戦モナコGP後には、チーム代表のマウリツィオ・アリバベーネから予選結果を改善するようにとの「宿題」を申し渡されていた。
ライコネンは、先週末のカナダGPではその期待に応え、3番グリッドの確保に成功した。だが、このときベッテルはマシントラブルが発生したことで予選Q1敗退という信じられない結果に終わっており、ライコネンがベッテルに打ち勝って予選3番手になったわけではなかった。
そして、決勝では、順調に3番手を走行し、3位表彰台は間違いないと思われていたライコネンに落とし穴が待っていた。ピットストップ後にコースに戻ったライコネンは、ヘアピンで大きなスピンを喫してしまい、ウィリアムズのバルテリ・ボッタスに表彰台を献上してしまう結果に終わってしまった。
決勝後、アリバベーネはライコネンがスピンによって表彰台を「投げ捨ててしまった」と怒りのコメントを発していた。
だが、その後、アリバベーネもそのスピンはライコネンが指摘した通り、技術的な問題によって発生していたことを認識するに至ったようだ。
アリバベーネは、ドイツの『Speedweek(スピードウィーク)』に次のように語った。
「すべての情報が、技術的な問題が発生していたことを示している。それが原因だったんだ。データを調べたところ、スロットルが突然変な動作をしていたんだ」
「キミのレースペースはよかったよ」とアリバベーネは主張した。
だが、フェラーリの内部関係者も、今回のライコネンのスピンはタイミングが悪かったと認めている。現在の契約が今季いっぱいで満了を迎えるライコネンだが、2016年も契約を延長するかどうかの選択権がフェラーリにあるからだ。
「技術的問題がからんでいたとしても、今回のミスは最悪のタイミングで起こってしまったよ」
そう語ったフェラーリの内部関係者は、次のように続けた。
「フェラーリでは、2016年シーズンの2人目のドライバーについて真剣に検討しているところだからね」
ライコネンとしては、とにかく今シーズンに集中するしかない状況だ。まずは、次戦オーストリアGPの予選でベッテルと対等の勝負をして前に出ることが直近の目標となるだろう。
さらに、ライコネンは今週イタリアのテレビ局『Sky(スカイ)』に次のように語った。
「シーズン中に少なくとも1レースで優勝できればいいんだけどね」
「僕たちは改善できるはずだ。もっと競争力を高め、メルセデスAMGに追いつくためにね。でも、難しいな。僕たちには時間が必要だよ」
一方、ライコネンは、現在5か月となった息子のロビンには、将来はF1ドライバー以外の道を選んで欲しいと思っていることを認めている。
その理由を尋ねられたライコネンは、次のように答えた。
「だって、自分が引退したら、もうここ(F1パドック)には来たくないからね」