マクラーレンが、次戦F1オーストリアGP(21日決勝)に投入を予定している「ショートノーズ」が、統括団体FIA(国際自動車連盟)によって義務付けられているクラッシュテストに不合格だったと報じられている。
マクラーレンでは大幅な空力面の改良を施した今季型車MP4-30の投入を予定しているが、その中で最も効果が期待されているのが「ショートノーズ」だと言われていた。
先週末のカナダGPでは2台ともにリタイアに終わるなど、大きくつまずいてしまったマクラーレン・ホンダ。しかし、次戦オーストリアGPには多くの改良パーツの投入が予定されており、さらなる飛躍が期待されている。
ジェンソン・バトンも、「オーストリアでは新しいエンジンパッケージも投入されるし、多くの改良が施されることになる」と認め、「カラーリングを除けば、これまでとはかなり違うクルマになるだろうね」と語っていた。
事実、空力処理に関しては、従来のロングノーズから「ショートノーズ」へと切り替えるのが現在のトレンドとなりつつある。
レッドブルもそうしたチームのひとつだ。だが、FIAによるクラッシュテストになかなか合格することができず、その実戦投入は予定よりもかなり遅れてしまっていた。
そして、今週、マクラーレンのショートノーズもこれまで5回にわたってFIAのクラッシュテストに不合格となったと報じられている。
マクラーレンでは、先週もイギリスのクランフィールドにある施設でテストに臨んだものの、このときも失敗に終わっていたようだ。
「大きく空力効果を変えるパーツ(フロントノーズ)を投入するときにはクラッシュテストを受けることが必要となる。だが、最初から合格することはまれなんだ」
そう語ったマクラーレンの広報担当者は、次のように続けた。
「我々は、新たなノーズボックスが近いうちにクラッシュテストに合格できるという自信を持っているよ」